北朝鮮版SNSが「大炎上」で数時間で閉鎖
5月末、北朝鮮独自のSNS「スターコン」の存在が明らかになったが、すぐに閉鎖された。その理由について、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は「大炎上」だと報じている。
韓国をカモにスターコンは、全世界のウェブサイトの動向をモニタリングしている「ディン・リサーチ」のダグ・マドリー研究員によって発見され、米国の北朝鮮専門サイト「North Korea Tech」が明らかにした。「スター…」の名称は、「強盛ネット」とともに北朝鮮を代表する政府系ネットサービス「ピョル(星)」からきていると思われる。
その存在が知れ渡るやいなや、海外からユーザーが殺到。金正恩党委員長のなりすましアカウントが作られたり、彼を批判する文章が多く書き込まれたり、あっという間に「大炎上」したというわけだ。
そのためか、スターコンは、開設からわずか数時間で閉鎖されてしまった。
スターコンの存在を報じた北朝鮮専門ニュースサイト「ノースコリアテック」のマーティン・ウィリアムズ氏は、RFAの取材に「今回の件は、北朝鮮のサイト管理者が『PHPドルフィン』というソーシャル・ネットワーク・プログラムを使って試験的に作ってみたSNSを、誤ってパブリッシュした可能性が高い」と述べている。
女子高生を公開裁判北朝鮮は、韓国の要人に対してネット上で「ハニートラップ」を仕掛け、まんまとカモにするなど、サイバー攻撃の巧みさで知られる。
しかし、海外に派遣されている攻撃要員は別として、インターネットへのアクセスが原則として禁じられている国内のエンジニアは、北朝鮮がSNSを開設したどんなことになるか、想像力が及ばなかったのではないか。
国民がLINEやカカオトークを使っただけでスパイ扱いし、海外情報に触れただけで高校生を公開裁判にかけるお国柄では、SNSをマネジメントすることなど、とうてい無理だ。
もっとも、特権階級はネットも自由に使えるのだから、金正恩氏はいっそのこと、自分のSNSアカウントでも公開して世界とのコミュニケーションを試してみてはどうか。