宇宙の90%以上を占める! 「暗黒物質」「暗黒エネルギー」って? (2/2ページ)

学生の窓口

ところが、不思議なことに銀河の中心から遠く離れても、その公転速度は銀河の中心近くにいる恒星とほとんど変わりません。

この不思議な現象を説明するためには、銀河の中心から遠く離れた恒星を、中心方向へと引き寄せるための力が必要です。つまり、現在目に見えている恒星と恒星の間に、光学的に観測できない何らかの物質が大量に存在していなくてはなりません。目に見えないことから、その物質は「暗黒物質(ダークマター)」と呼ばれており、目に見えている物質の数倍はあると考えられています。

なお、「暗黒」や「ダーク」という名前が付いていますが、決して悪いものではなく、単に正体不明の何だかよくわからないもの……という意味で使われています。

■ 宇宙を膨張へと導く謎のエネルギー

さらに不思議な現象は続きます。現在の宇宙は膨張しています。この事実は1929年にアメリカの天文学者エドウィン・ハッブルによって発見されています。しかし、驚くのはここからです。

宇宙空間に存在している物質は、お互いの持っている重力によって引き合います。そのため、普通に考えれば宇宙の膨張は少しずつ遅くなっていくはずなのですが、実際の宇宙を観測してみると、膨張速度は遅くなるどころかむしろ加速していることが、20世紀の終わり頃にわかってきました。宇宙の膨張を加速させるためには何らか別の力が働く必要があり、まだ見ぬその未知のエネルギーのことを「暗黒エネルギー」または「ダークエネルギー」と呼んでいます。

ちなみに、このダークエネルギーはダークマター以上に存在すると言われ、天文学者たちの最新の研究成果によると、現在の宇宙を構成している成分の割合は、目に見える通常の物質が4〜5%、ダークマターが27%程度、ダークエネルギーが68%程度であると推定されています。

■ まとめ


かつて、古代ギリシアの哲学者であるアリストテレスは、この世は火・水・土・空気の4つの元素と、その周りを満たしている「エーテル」という物質から成り立っていると考えていました。あれから2000年以上を経て科学も進歩していますが、それでも宇宙が何からできているのかについてはわずか4k〜5%しか解明できていません。残りの90%以上を占めている「暗黒物質(ダークマター)」も「暗黒エネルギー(ダークエネルギー)」も、その存在はまだ証明されていません。

いつかこの謎が解明されたとき、人類が挑む宇宙への挑戦は大きな一歩を踏み出すことになるでしょう。

(文/TERA)

●著書プロフィール
小さい頃から自然科学に関心があり、それが高じて科学館の展示の解説員を務めた経験も持つ。現在は、天文に関するアプリケーションの作成や、科学系を中心としたコラムを執筆している。

「宇宙の90%以上を占める! 「暗黒物質」「暗黒エネルギー」って?」のページです。デイリーニュースオンラインは、科学豆知識雑学宇宙カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る