社員の離職率が低下した企業も!掃除を自前で行う意外なメリット (3/4ページ)
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大森さんによると、欧米企業の掃除が「目的重視」であるのに対して、日本企業のそれは「手段重視」といえる、ということでした。
では欧米以外の企業ではどうでしょうか。
近年、海外産業人材育成協会(HIDA)が、日本企業が大切にしてきた掃除と経営の関係性についての講義を、新興国の企業経営者向けに行ったそうです。
初めは行動主導の掃除に対して冷ややかな受講生もいるそうですが、講義が終わる頃には多くの受講生が自社でも取り組んでみる、と宣言したそうです。なかには、宿泊施設内のトイレの掃除をさっそくはじめた人までいたとか。
■掃除活動は人をつなげてくれる
思想や宗教によって人々が結びついていた時代は終わりをつげ、多様性(ダイバーシティー)が重んじられる時代が到来しています。
企業という枠組みのなかで、出自も宗教も性的指向も異なる人たちがのびのびと実力を存分に発揮するには、彼らをつなぐなにかが必要で、ダイバーシティー教育を始めている企業も少なくありません。
大森さんはいいます。
「ある程度のダイバーシティーの進んだ企業には、思想による連帯は可能かもしれませんが、今後、さらに大きなレベルのダイバーシティーになると、ひとつの思想で人々を縛ることは難しいのではないでしょうか。
掃除は活動で人々をつなぎます。掃除に代わるプラクティスも探しているのですが、掃除を超えるものはなかなか見つからないのです」
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実は「ビジネスの現場に自前掃除なんて古臭いのでは?」と思っていた筆者ですが、本書を読んで、すっかり考えが改まってしまいました。
これからの時代、持続可能な企業になるためには、「これをすれば大丈夫」ということはないかもしれません。けれど、掃除ならばたいしたコストもかかりませんし、職場はキレイになるのですから、損はないですよね。
(文/石渡紀美)
【取材協力】
※大森信・・・1969年大阪府生まれ。日本大学経済学部教授。上智大学経済学部非常勤講師。2001年、神戸大学大学院経営学研究科博士課程修了。