81%の人が親の介護に不安アリ!介護で孤独にならないノウハウ (3/3ページ)
だからこそ、そういった「常識ロック」を自分の手で解除すべきだと著者は主張します。そうすれば、介護の幅が広がり、孤独からも解放されるというのです。
アウトソーシングしていると親戚から文句をいわれることもあるでしょうが、大切なのは「介護者が主体的であること」だからです。
見るべき方向は「世間やみんな」ではなく、認知症の人ご本人、そして介護者自身。認知症の人ご本人には「介助」が、介護者には「ロックの解除」が必要だといいます。
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当然のことながら、介護には、つらく苦しいものというイメージがあります。たしかに、それは事実なのでしょう。しかし本書の魅力は、著者がそういった被害者意識とは別の場所にいることです。
「わたし自身、認知症介護は4年目に突入しました。もちろん、悩みはあります。しかし、思ったほど悩みは深くなく、『しれっと』介護ができています。『しれっと』とは、何ごともないかのような状態のことです」(「はじめに」より)
この記述からもわかるとおり、決して悲観的ではないのです。だからこそ本書を読んでみれば、絶望的なものとして語られがちな認知症介護を、もう少し広い視野で眺めることができるようになるはずです。
(文/作家、書評家・印南敦史)
【参考】
※工藤広伸(2016)『医者は知らない! 認知症介護で倒れないための55の心得』廣済堂出版