最高幹部の「処刑」を見世物にする金正恩氏の軍事政策 (1/2ページ)
金正恩体制になって、北朝鮮体制内における朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の地位低下が著しい。
先月、北朝鮮で開かれた第13期最高人民会議第4回会議では、国家最高機関として、それまでの国防委員会に替わり国務委員会が誕生。さらに、国防委員会の下にあった人民武力部も、人民武力省に改称された。
最高幹部も「公開処刑」一般的に「部」は国防委員会の所属で、内閣所属の「省」よりは格上と言われている。明確ではないが、事実上の格下げと見て差し支えない。
これだけでなく、金正恩党委員長の北朝鮮軍に対する露骨な冷遇ぶりは、もはや「軍イジメ」と言っても過言ではない。その象徴として、まるで見世物のように殺されたとされる玄永哲(ヒョン・ヨンチョル)前人民武力部長の例が記憶に新しい。
こうした軍イジメは公式のセレモニーにも及ぶ。
「変態幹部」は軍人の真似金正恩氏は今月7日、祖父・金日成氏の命日に祖父と父・金正日氏の遺体が安置されている錦繍山(クムスサン)太陽宮殿を参拝したが、これまでと違い軍服姿の朝鮮人民軍の幹部は1人も見られなかった。
軍事を最優先する「先軍政治」をスローガンに掲げる北朝鮮で、軍服姿で宮殿を参拝したり、ひな壇で軍事パレードを観覧することは自分の地位を誇示して再確認するための一つの手段だった。
金正恩氏の側近中の側近でありながら、変態性欲スキャンダルの醜聞に塗れた過去を持つ崔龍海(チェ・リョンヘ)氏は、生粋の軍人ではないにも関わらず、わざわざ軍服で宮殿を参拝したり軍事パレードを観覧した。その背景には、崔氏の自己顕示欲があると筆者は見る。
軍の権威が、日増しに下がっているのは、金正恩氏が軍より、本来の国家運営の姿である「労働党を中心とした政治体制」を再構築したいからだろう。ただし、金正恩氏の軍イジメに対して、軍内部から不満の声が上がっていると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。
RFAに対し、平安南道(ピョンアンナムド)の40代女性は次のように打ち明けた。
「北朝鮮で一二を争う特殊部隊、軽歩兵旅団の兵士たちが、平壌市内の住宅団地『黎明通り』の建設工事に投入された。