歯周病 治らなくなる「ある一線」とは? (3/4ページ)

新刊JP

ただ、決してそれは愛情の否定ではなく、子どもの健康を守るためにも、できるだけ口移しの回数を少なくして、する時は親が口の中をきれいにしてから、ということを意識していただきたいですね。

――子どもに歯磨きの習慣をつけさせるために有効な方法がありましたら教えていただきたいです。

田北:これはスウェーデンで行われていることなのですが、まだ歯が生えていない乳児のうちから、授乳した後にガーゼで子どもの口の中を触ったり、歯ブラシを口の中にいれたりして「口の中に食べ物を入れたら歯を磨く」という習慣をつけています。

歯が生えてくる8カ月くらいの時期は、子どもに自我が芽生えて最初の反抗期がきますから、その時に歯磨きをしようとしても嫌がってうまくいかないんですよ。だからこそ、「ものを食べたら歯ブラシを口の中に入れる」というのを乳児の時期から癖づけておくことは、歯磨きの習慣をつけるために有効だと思います。

――疾病や体の不調の原因になるなど、歯や口内の問題の影響は全身に及びます。こうした歯周病に「完治」はあるのでしょうか。

田北:どんな病気でもそうなのですが、「ある一線」を超えなければ治ります。ただ、歯周病が厄介なのは、「サイレント・ディジーズ(沈黙の病気)」と言われているように、あまり症状が出ずに進行してしまうことです。そして、症状が出る頃にはかなり進んでしまっている、というケースがよくあります。

――歯周病における「ある一線」とはどのあたりになりますか?

田北:歯の下の骨の高さが健康な状態であることだと私は考えています。歯肉炎といって、歯茎が腫れているだけならば、清潔にすれば治ります。ただ、骨の方に歯周病の菌がまわってしまうと、骨の量が減ってきてしまう。骨はなかなか再生しませんから、そこまで行くと完治は難しくなってしまいます。

――最後になりますが、虫歯や歯周病が気になりつつ、歯科医院にいけずに放置してしまっている方にメッセージをいただきたいです。

田北:一番に言いたいのは「あなたは悪くない」ということです。虫歯でも歯周病でも、歯医者さんに行くと、みんな「あなたの磨き方が悪いから虫歯になった」「あなたの生活習慣が悪いから歯周病になった」と言われます。でも、これはある種の脅しですよね。

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