肥満と脳に関連性が?肥満の人が不健康な食事に手を出してしまうのは脳の灰白質が少ないことが原因(カナダ研究) (1/2ページ)

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肥満と脳に関連性が?肥満の人が不健康な食事に手を出してしまうのは脳の灰白質が少ないことが原因(カナダ研究)
肥満と脳に関連性が?肥満の人が不健康な食事に手を出してしまうのは脳の灰白質が少ないことが原因(カナダ研究)


 太っている人が標準体重の人より知能が劣るという挑発的な研究結果が発表された。男性も女性も肥満型だと脳の灰白質が少ないことが原因だそうだ。これまでの研究で脳の灰白質の容積と知能の関連性は明らかとなっている。

 これにより衝動的となり、さらに報酬プロセスまでが変質してしまっているのだという。もちろん太っている人すべてに該当するわけではないし、が、食べ過ぎると太るということがわかっているのに、どうしても自分をコントロールできないのは、脳の機能のせいということになる。

 カナダ、マニトバ大学のチェイス・フィグレー氏らによる研究は、アメリカ、メリーランド州ボルティモアに住む成人32名(男女各16名ずつ)の脳のイメージを調査したものだ(脳障害、薬物の濫用、精神疾患の既往歴がある人は除外)。

 体の構成それ自体が認知、動機付け、自制心などを司る神経系に影響している可能性についてはこれまでも指摘されてきた。これはひるがえって個人のライフスタイルの質の差異となって現れ、やがて長期的な健康や幸福につながる。今回の研究はこれを支持する結果となった。

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 研究者は肥満度の一般的な指標であるボディマス指数(BMI)と体脂肪率を測定し、これらを脳の構造や機能と比較した。脳スキャンは全体はもちろん、特定のネットワークにまで及ぶ徹底したものだったという。特に関心が払われたのは”主要ネットワーク(salience network)”という、「やる気、意志、肉体的感情的な困難に耐える力の台座」の部分だ。

 その結果、標準体重の人と肥満の人の間の白質には有意な差が見られなかった。ところが、灰白質については、BMIが高い人は全体的に少ないことが明らかとなった。

 一方で、特定のネットワークに目を向けるとまた違った絵図が浮かび上がる。とりわけ体重が重く、脂肪が多いほど、主要ネットワークにおいて白質が少ない傾向にあった。
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