天才テリー伊藤対談「矢追純一」(1)終戦をきっかけにすべてが変わった (3/3ページ)
矢追 でも、おもしろいもんでね、近くに泥棒市場があって、そこで人から盗んだ物がそのまま売られているんですよ。そこに母親が行って、交渉して品物を取り返したりしていました。
テリー 交渉って、まさかお金を払うんですか?
矢追 払う時もありますね。うちの母親、なぜかムチャクチャお金を持ってたんですよ。
テリー えっ、「生きていくのに精いっぱい」って言ってたのに? 貴金属とか隠して持ち出してたのかな。
矢追 そうかもしれないです。あと、米兵やソ連兵が集まる将校クラブみたいなところで女給みたいなこともやっていましたし。
テリー すると「面倒を見ない」と言ったのは本気じゃなくて、実際は「子供でも自立する意識を持ちなさい」ってことだった?
矢追 そうなんでしょうね。とにかく何でもできる、すごい人でしたから。