これなら親子で苦しまない!6歳まではテキトー子育てがいい理由

Suzie(スージー)

これなら親子で苦しまない!6歳まではテキトー子育てがいい理由

『〈マンガとQ&Aで楽しくわかる〉1人でできる子になる 「テキトー母さん」流 子育てのコツ』(立石美津子著、日本実業出版社)の著者は、子育てに関する著者、講演家として精力的に活動している人物。

教育現場での経験に基づいた講演には定評があり、自身が自閉症児を育てる母親でもあります。

前作『『1人でできる子が育つ「テキトー母さん」のすすめ』も話題を呼びましたが、新作である今回も、テーマにしているのは子育てにおける“テキトー”の重要性。

というのも、著者が“テキトー”を強調することには大きな理由があるのです。

■子育てはテキトーなくらいがちょうどいい

子育て経験のある方ならおわかりになると思いますが、子どもに向き合って一生懸命になればなるほど、「いいママにならなくちゃ」「いい子に育てなくちゃ」という“いいママプレッシャー”にがんじがらめになってしまうもの。

理想を追い求め続け、つい完璧主義になってしまうわけです。事実、かつては著者もそうだったといいます。

しかし、そんな状態だと、親も子どもも不幸になってしまって当然。そのことに気づいてから、“テキトー”な子育ての重要性を実感したというのです。

つまり“テキトー”とは“いいかげん”ということではなく、肩の力を抜いた“ちょうどよい状態”だということ。

そして、そのような考え方をもとに、本書では6歳までの子育てアドバイスを紹介しています。

■ちょうどよい状態のテキトー母さんタイプ

とはいえ、“テキトー”になるのは、そうそう簡単なことではありません。

そもそも、どんな人が「テキトー母さん」なのか、基準がよくわからないという方もいらっしゃることでしょう。

では、どうすればちょうどいい「テキトー母さん」になれるのでしょうか? 著者によれば、テキトー母さんとは次のような人だそうです。

(1)期待しない人

期待しすぎてハードルを上げると、子どもも親もしんどくなってしまってしまうもの。だからこそ、過度に期待しない人になることが大切だというわけです。

(2)くらべない人

親としては、つい他の子のことが気になってしまいます。とはいえ、よその子やきょうだいとくらべずに、子ども自身の昔といまを比較することができる人になることも重要。

(3)あるがままを受け入れる人

たとえいい子でなかったとしても、わがままをいっても、子どものあるがままを受け入れることが大切。つまり、世界中を敵に回してでも子どもの味方になる人になるべきだということ。

■子育ての成功は子どもが自分を好きか否か

では、子育てに成功と失敗はあるのでしょうか?

このことについて著者は、「子育てが成功したかどうかは、その子が“自分のことが好きかどうか、自尊感情が育っているかどうか”に尽きるのではないか」と記しています。

よくないのは、親が自分の理想像を追って「まだうちの子にはこれが不足だ。あれもできない、これもできない」と引っ張りまわしたり、追い立てたりしてばかりいる状態。

そんな状況のなかにいると、子どもは「どうせ自分なんかダメな人間なんだ……」と自分自身を好きになれず、人生を楽しめなくなってしまうというのです。

いってみればテキトー母さんは、その逆。親の価値観を一方的に押しつけることなく、子どもにないものを嘆くこともせず、あるがままをすべて受け入れる子育てだということ。

そうやって育てられた子どもは、大人になったとき、他人を妬んだりすることなく、「自分は自分、生きているだけで幸せ」と思えるようになるといいます。

そして、人生でどんな壁にぶち当たったとしても、乗り越えられる力がつくとも言います。

つまりテキトー母さんになると、子どもも親も幸せになれるということです。

■テキトー子育てなら自分自身も苦しまない

著者は幼児教育の仕事を通じ、30年以上にわたり、多くの子どもたちと接してきたそうです。

そしてそんななかで、「こうあるべき」「こうあらねば」と、子どもに自分の理想を押しつけ、子どもの成長の芽を摘んでしまっているママを数多く見てきたのだといいます

しかし、立派な花を咲かせようと鉢に水をやりすぎてしまうと、根腐れして枯れてしまうもの。子育ても同じで、あれこれ手をかけすぎると、子どもの可能性を潰してしまうということです。

だからこそ著者は、「どこへ出しても恥ずかしくない子に育てなきゃ」「人に迷惑をかけない、いい子に育てないと」、だから、そのために「自分もいいママにならないと」という完璧な子育てを目指し、子どもだけではなく自分も苦しめているママに、「テキトー」な子育ての大切さを伝えたいのだそうです。

Q&A形式になっているのでわかりやすく、自分の子どもに当てはめて考えることができるはず。子育てのストレスに悩んでいる方にとって、本書は大きな力になってくれることでしょう。

(文/作家、書評家・印南敦史)

【参考】

※立石美津子(2016)『〈マンガとQ&Aで楽しくわかる〉1人でできる子になる 「テキトー母さん」流 子育てのコツ』日本実業出版社

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