ハリウッド俳優・尾崎英二郎が語る海ドラ『ハウス・オブ・カード野望の階段』の魅力 第1回「愛されない政治家・フランクが人々を魅了するワケ」 (3/5ページ)
彼の不断の姿勢を見つめていると、彼が罪人であることをつい忘れて、勇気をもらうことさえあるのだ。
【ハリウッド業界と米国社会に風穴を空けた、名女優ロビン・ライトの意地】
これまで「政治劇」というジャンルは、女性にはあまり人気がなかったかもしれない。しかし『ハウス・オブ・カード 野望の階段』は、ハリウッドという社会の壁をも突き崩す役割を果たし、世の女性たちの称賛を浴びている。大統領夫人クレア・アンダーウッドを好演し、これまで全52エピソードに出演しているロビン・ライト。製作指揮の一人としても名を連ね、シーズン3&4では、実に6度にわたり監督も務めている。
ロビンは、番組のデータではクレア役の人気がケヴィン・スペイシーを超えていた時期さえあることや、自分の同ドラマシリーズへの貢献度の大きさを製作サイドに訴え、ケヴィンと同額となる内容の昇給を要求したという。彼女がフィクションの中だけでなく、現実の社会でも男女格差を覆したニュースは、多くの国民に勇気を与えている。
このドラマでは、冷酷で強引な権力者に決して屈しない女性たちのパワーと意志の強さが何度となく描かれ、クレア・アンダーウッド役はその象徴とも言える。シーズン2からは、米国の宣伝ポスターに写っているのは、必ずケヴィン・スペイシーとロビン・ライト両名だ。
特にシーズン4では、大統領フランクが人生最大の危機に陥り、ずっと政治上の経験不足を指摘されてきたクレアが、夫以上の才覚と図太さを見せつける場面が訪れる。それらのエピソードをロビンが監督としてメガホンをとり、確かな手腕で描き切っているのだ。クレアが某国に乗り込み、一筋縄ではいかない政界リーダーとしのぎを削る激突は、爽快でさえある。