ハリウッド俳優・尾崎英二郎が語る海ドラ『ハウス・オブ・カード野望の階段』の魅力 最終回「【現実】がこのドラマの競争相手」 (3/5ページ)
特に米国は、世界の番人的リーダーを自負していることから、中東の和平工作、ロシアや中国と牽制し合う外交、イスラム系組織のテロの脅威など、現実の世界情勢で起こるあらゆる問題がドラマ内でも当然起こる。さらには、全米ライフル協会の圧力で行き詰まる銃規制の問題、現職大統領フランクの覆い隠された「闇」を暴こうとするジャーナリズムの執念など、よくもこれだけの懸案をさばききれるものだと思う。俳優にも、脚本家にも、各エピソードの監督たちの力量と器には脱帽するばかりだ。
しかもシーズン3&4では、現実の米国大統領選挙戦とほぼリアルタイムの進行で、架空のドラマではあるにしてもホワイトハウスの舞台裏の攻防を目撃でき、スリルを疑似体験できる。こんなに興味深い政治テキストがあるだろうか?僕はこのドラマを観たことで、自分が今住んでいる社会の政治により好奇心を抱き始めた。と同時に、そこから影響を受ける日本の政治の仕組みにも思いを馳せるようになった。
混沌とした今年の現実のアメリカ大統領本選。支持率ではクリントンが一歩リードしているが、トランプの嵐のような勢いは侮れず、今の段階ではまだ行方は読めない。ひょっとしたら、思いもよらないようなことが、『ハウス・オブ・カード 野望の階段』の中で、そして現実の選挙で、起こるかもしれない。
主演のケヴィン・スペイシーは語る。「驚くのは、ストーリーを決めて、脚本が書かれて、撮影されて、まもなく配信されるっていう時に、まさに脚本に描かれていた内容に近い出来事が、毎シーズン後に起きていることなんだ!新聞のヘッドラインや記事を追いかけて作っているんだろう、と思われているが、その逆さ。我々がドラマで描いたことを、"現実"のほうが真似ているんじゃないかな...」
シーズン1から4までをずっと牽引し続けたこのシリーズの立役者でありトップクリエーターであるボー・ウィリモンは、報道のインタビューで応えている。