向上心ある大学生へ捧ぐ! 先輩に聞いた、大学編入試験に合格するためのアドバイス【学生記者】

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こんにちは。青山学院女子短期大学一年の薫子です。
みなさんは自分の学校が好きですか? 私は今では毎日学校があっても問題ないくらい大好きなのですが、かつては嫌いだったときもありました。大学全入時代と呼ばれて大学に進学することが一般的である中、短大進学率は年々下がっているのにも関わらず、どうして短大へ? 私は短大入学当初、その理由は学力不足であると自分に焦れったさを感じ、劣等感に苦しめられていました。そのもやもやした感情は、学校生活が楽しくなったことで解消され、それに乗じてまわりの友達への感謝と初めて勉強が楽しいということを教えてくれた学校への愛が湧き出し、現状肯定の上、他の学校への編入を目指すことを決めて今に至ります。

こちらの記事によると、学歴コンプレックスを持つ大学生は約3割。私は少数派?! 思っていたよりもコンプレックスを抱えている人は少ないようです。しかし、短大、四大に関わらず、希望と違う学校に不本意に入学した場合、負い目を感じてしまう人も必ずいると思います。今回はそんなコンプレックスを克服する一つの方法である「大学編入」について、体験者である大学生の先輩にインタビューをしてみました。

みなさんは大学生活を心から楽しんでいますか? みんなが大学に行くからと来てみたけれど、実際は講義を楽しめていない人や、高校を出てからやりたいことが見つかったけれど、同時に学部選択に失敗したことに気づいた人もいるでしょう。その違和感、こんなはずではなかったというぼんやりとした屈折感から目を背け、バイトサークルに恋愛、飲み会や自主休講の自由を満喫することもできます。さすが人生の夏休みと形容されるだけあって、大学生のうちは日々を流されるままに過ごしているだけで手に入れられる楽しさも多くありますね。

でも、おもしろくもない講義をスマホに夢中になるか、睡眠タイムにしてやりすごし、学期の最後に出席日数や単位のコマ数をちまちまと計算する自分にうんざりすることはないですか? 青春時代このままでいいのかと不安になりはしませんか?

サークルや学外活動に全力を注ぎ、充実した学生生活を送っていればそんなこと考える暇もないでしょう。でも本当にみんなそんな風にキラキラしてるの? 自分に嘘ついてない? 現状を変えたいとは思わないの? よくよく考えてみると、本音ではこのままじゃいけない……と思う人もいると思います。そこで考えてみてほしいのが、「編入」という選択肢です。

1.編入制度って何?

みなさんは編入についてどういうイメージを持っているでしょうか。そもそも編入とは、元いた学校で取得した単位を認められ、退学はしないまま違う四年制大学の三年次、または二年次に改めて入学する制度です。大学や学部によって入試の形態や対策もさまざまなので、詳しく言及するのは避けます(編入は大学によってバラエティに富んでいるため、事前の情報収集が大切です!)。

大学によって違うとはいえ、たいていの場合編入をするには試験や面接などに対してしっかり入試対策をする必要があります。私は現在短大一年生ですが、編入のための勉強で日曜日に大学図書館に行き、うっかり閉館まで過ごしていたことに気づいたときには、かつて夢見ていた女子大生ライフとあまりにかけ離れていると絶望して帰り道に一人で泣きました。好きで選んだはずなのに……この孤独感はなんだろう。今は一年だしそこそこでいいけど、本腰入れる二年からはもうこんな生活耐えられる気がしない……編入がこんなに苦しいのは普通なのかな?

そこで、今回は編入に成功した先輩にお話を聞いてみました。先輩はこの春の短大卒業後、四年制大学に三年次で入学し、毎日したかった勉強ができてとても充実した日々を送っているそうです。

2.編入に成功した先輩にインタビュー!

薫子(以下・薫)よろしくお願いします!いつも尊敬しています!

私は日曜日、勉強で図書館に行った帰り道に編入のことで死にたくなるほど思いつめてしまったのですが……先輩はそんな経験はありませんでしたか?

———ああ……わかる。けど最初だけだったよ。そもそも編入の勉強を始めたのが一年の春休みだから、三月中にはその感覚もなくなった。途中からは反対に、誰も知らない人の中で勉強するのが心地よかったかな。勉強を始めたのが遅かったから切羽詰まっていたのもあるかもしれない。

人は目標に向かって集中したとき、孤独感なんて忘れてしまうのでしょうか。心地よささえも感じるなんて、どれだけ集中していたんでしょう。先輩のすごさに震えます。

薫:先輩は短大出身ですが、編入を選ぶことで、普通に入学して四年間勉強して卒論を書いて、就職するという一連の流れから自ら外れる選択をしたわけですよね。みんなが経験する大学受験と違い、しなくてもいい選択であるぶん、自分の意志を保つのが大変なように思いますが、辛かったことはありますか?

————−たくさんあるよもちろん(笑)。情報はないし、誰に頼ればいいかわからなかった。その年によって編入生を募集していない大学もあるから運もあるし、過去問や対策がわかりきっていてデータベースや予備校も参考書もたくさんある大学入試とは違う、自分の勉強のやり方があっているかわからない不安があったよ。どのように何を勉強すればいいかも手探り状態。自分と孤独との闘いだったなぁ。英語の実力が思うように上がらない、とか専門科目の勉強が思うようにできない、とかいろいろ不安でした。受からなかったらどうしよう、という受験につきものの不安も。

自分との闘い。言うが易しで耳タコのフレーズですが、ライバルは自分であると言い切れるのはすごいですよね。サボってしまえば、他人に言い訳しようとも自分だけははっきりわかるわけです。情報収集については予備校に通う、短大の場合は学校の先生に相談する、行きたい大学の研究室の先生にアポを取ってみるなどいろいろな方法がありますが、どれも自発的に行動しないと何も始まらないことばかりです。

四年制大学から編入する場合、まわりは大学二年という華の大学生の時期……なのに自分は受験生というギャップに苦しむこともあるでしょう。「そもそも大学には入っているんだからこのままでよくない? 現状で満足するべき」という甘い囁きに流されない自信があるとは、私は言い切れません。行動力とめげない意志の強さが必要ですよね。編入試験に受かったらステップアップも叶うし希望の勉強ができるという天国ですが、落ちたら……編入浪人? 地獄ですね。覚悟の上、不安と隣り合わせの勉強の日々です。私、大丈夫かな? 

薫:お話を聞いているともう、涙が出てきそうです……。覚悟の上、努力を重ねてきたチャレンジャーかつリスクテイカーな先輩に惚れそうですが、自分が同じことをできるかどうか不安です、怖いです。今まで編入で辛いことを聞いてきましたが、それでもしてよかったと思ったこと、この経験で得た教訓など教えていただけると嬉しいです。


—————まず、やっぱり合格発表の時はものすごい嬉しかったよ。発表が10時で、怖くてなかなか見られなかったけれど意を決して、表参道の駅についたら見ようと決めて、そしたら自分の番号があった。合否を見た瞬間と同時に駅から地上に出て、目の前が光でぱぁーっと明るくなって、その光景が忘れられない。スマホを落としそうになって手が震えて、その足ですぐ学校に報告に行った。

あとは、勉強中に先生がたくさん応援してくれたことも忘れられないかな。自分の力で人生の道を切り開いた感じがして、それも得難い経験の一つです。編入試験は勉強しなきゃいけない範囲が広すぎるから、いろんなところにアンテナ張って、視野が広くなったことも利点。

何より、今までよりもレベルが高い環境でしたくてたまらなかった勉強ができることの幸せかな。新しい環境で慣れるまでとても大変だったけど、今はとても楽しいよ。編入をしてみてひとつ思ったことは、みんな他の人が「いい」と言っていることに合わせて頭が凝り固まっているんじゃないかな? 一回外に出てみたらそんなに横並びがいいとは思わなくなった。価値観が変わりましたね。どこで人生が変わるかなんて自分次第だから、全てにおいて自分を信じて全力で挑もうという教訓になりました。これから先もなんとかなるだろうという自信がついたこともよかったです。

詰め込みの受験勉強ではなく、能動的な大学の勉強の方が楽しいです。興味がある専門分野や将来に直結する勉強をすることは、苦しさよりも楽しさ、充実感の方が上回るのかもしれませんね。まさに、嬉しい悲鳴が聞こえてきそうです。自分の力で道を切り開く、なんて本当に真正面から取り組んだ人しか言えないセリフです。

薫:本当にお疲れさまでした。不躾な質問に、貴重な経験を交えて答えてくださってありがとうございます。最後に、もやもやしている新入生や編入を目指す人に向けてアドバイスをお願いします。

—————いえいえ(笑)。どうして編入しようと思ったか、なぜ勉強したいのか、学校を変えるというリスクを背負ってまで何をしたいのか、自分自身とその先の社会に徹底的に向き合う必要があります。編入に成功したら理想の学歴が手に入れられるという利点はありますが、それがゴールではなく、ただの始まりです。進学先の新しい環境に慣れることも大変ですし、三年次編入の場合すぐにまた進学か就職か選択を迫られ、目が回るほど忙しいです。

もやもやしている大学生に向けては、そんなに焦らなくても大丈夫、まず日々の生活を楽しむことが大事だよとアドバイスしたいです。社会の色んなことに目を向けて、好奇心を大切にして、ゆっくり自分と向き合ってください。遊ぶことも大切! 劣等感が原動力になることもあるけれど、負の感情に流されずに今を楽しむことをおすすめめします。友達は大切にしてね。

あとは、学歴だけで志望校を選ぶと後悔します。大学名に釣られるより、中身を見定めることが大事です。やりたかった勉強ができなかったら進学した先で自分を見失うことにつながるし、何より張り合いがない。目的や知りたいことがないと、新しい環境が苦手な人にとってはリスクが大きいし、ストレスフルなだけになってしまいます。

薫:ありがとうございました。

自分との対話、そして社会に目を向けることが重要なんですね。徹底的に考えすぎると迷路に迷い込み、私のように図書館の暗い通路に無気力に横たわることになるような気がしますが、袋小路に陥る前に気持ちを切り替えるバランス感覚も必要なのでしょう。私はまず、希望にあふれた高校生向けの予備校のCMに毒づくのをやめることから始めたいと思います(笑)。

ここまで、編入について語ってきましたが、編入しようが学歴が低かろうが高かろうが、出身校に誇りを持とうが憎もうが、そんなのはどうでもいいんです。大切なのはあなたが自分の学生生活や人生をどうしたいか、そして何を心の底からほしがっているか。純粋に自分がやりたいことを追求すると、みんながほしがっているものより自分がほしいものの価値がより一層輝いてくることでしょう。

何かに挑戦する人の孤独は寂しいものではなく、爽やかなものです。私は耐えられず、寂しいと手元のiPhoneに話しかけたところ、「貴く偉大なものは皆孤独である、あなたもその素晴らしい人の一員なんですね」と慰められました(笑)。なんだか問題を大きくしてごまかされた気がしなくもないですが、まぁいいかと気が抜けました。

高校時代、自分でがっつり噛み付いて味わい、掴み取ろうとする泥臭い努力でしか得られないものがあると気付き損ねた私は、そのリベンジをしようと編入という目的に向かってがんばっている最中です。あなたもそんな私と一緒に、何かに挑戦してみませんか?

<大学生のまずこれステップ>
1.編入はいい面もたくさんあるけど覚悟が必要!
2.自分と社会に好奇心を持って向き合うことが大切!
3.学生時代を編入勉強も含めて、楽しんで!

文・薫子

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