【海外出産奮闘記#12】母乳育児の苦労再び!「処女乳首の受難」編 (2/3ページ)
3時間かかってやっと吸い付いてくれたときなどは、「吸啜(きゅうてつ)反射は本能のひとつではないんですか、神様……」と天を仰いだものです。
・戻った乳首
赤ん坊は乳首を口の中でぎゅぎゅっとしごき、それから伸ばすだけ伸ばして乳を搾り出します。
訓練されていない乳首は、最初はもちろん伸びません。ですから初心者乳首は傷つき、傷口を開いて血を流し、真っ赤に腫れあがります。シャワー後のタオルが触れるだけで、飛び上がるほどの痛さです。
これまで何も仕事をせず、ぬくぬくと甘やかされ、安穏とした暮らしを享受してきた小娘が、突然現場にぽいと放り込まれ、キツい肉体労働を強いられるような凄まじさ、とでも言いましょうか。
その後2週間ほど経つと、花も恥じらう小娘はいつの間にか鍛え上げられ、どこからどう吸われても動じない、赤子の要求に応えて伸びに伸びる、立派な“ガン(岩)乳首”が出来上がるのです。
痛々しく傷つき疲弊した乳首を、甘やかした息子のようにいたわりながら「かわいそうに……」と涙したのは過去のこと、私はもうそんな苦労とは無縁。
「だって、もうわが乳首は、立派なガン乳首なのだから!」と自信満々、次女が口をあーんと開き、カポっとくわえたそのとき。
私は驚愕しました。
なんと、乳首は元の“初々しい小娘”に戻っていたのです。
その時、私の脳裏に浮かんだのは、“処女乳首”。いくら年子といえども、しばらく吸われないでいると、“処女乳首”に戻ってしまいます。これは少なくとも私が子どもを産む前には到底得られなかった知識あり、予想だにしない出来事でした。
乳首がこんなに大変な目にあうのだということを、世間はもっと知るべきではないか? と当時は痛さに涙を流しながら思ったものです。
そうすれば、世の夫もより妻に感謝の念を抱くというものでしょう。