友成那智 メジャーリーグ侍「007」 メジャーリーガー「前田健太」−−六つの謎 (1/3ページ)
ドジャースの前田健太は試合ごとの波が大きいものの、大エースのクレイトン・カーショウが長期欠場している中で、ド軍先発陣では最もいい働きを見せている。今週はマエケンファンにとって気になる六つの謎に迫り、解説を加えていきたい。
(1)評価の高い技術−−バットの先で打たせる変化球
マエケンは打者を追い込むと右打者には外角にスライダー、左打者には外側にツーシームかチェンジアップを投げ込んでくる。どちらも外側に逃げる軌道になるため、打者が打ちに行くとバットの先っぽに当たって凡ゴロか凡フライになる。この強い打球を打たせないテクニックは一部のアナリストから絶賛されている。
(2)評価の高い球種−−スライダー、フォーシーム、チェンジアップ
マエケンは米国でもスライダーを高く評価されている。野球データサイト・ファングラフスが掲出している球種別の評価を見ると、スライダーはメジャーの先発投手(規定投球回数以上)63人中4位にランクされている。
意外なのは、スピードが145キロ前後しかないフォーシームが「上」レベルと評価を受けていることだ。これはフォーシームを高めに、変化球を低めに投げ分けて、打者の目線を狂わすことに長けているからだ。チェンジアップは使用頻度が9%程度だが、左打者のタイミングを外す道具として機能しており「上」レベルの評価を受けている。
逆に、評価が低いのはカーブ。メジャーに来てからタイミングを外す道具、目線を狂わす道具として重宝し、日本時代より使用頻度を大幅に増やしている(19%)。しかし、抜けて甘く入るケースが頻発するため評価が低く、前出のファングラフスの球種評価でも、先発投手80人の中で78位だ。
(3)魔の3まわり目
マエケンの評価が今一つ高くならないのは、1まわり目、2まわり目は完ぺきに抑えるのに、3まわり目に入ると、とたんに打たれ出すからだ。これは数字にも表れていて、マエケンは1まわり目の被打率が1割7分6厘、2まわり目は1割9分9厘だが、3まわり目になると3割4分4厘に跳ね上がる。そのため最近は3まわり目に入るとヒットを1本打たれたところであっさり代えられてしまうことが多くなった。