スペシャル対談・田中京×大下英治「今の日本には“田中角栄”が必要だ」(3)田中角栄はなぜ特別なのか (2/3ページ)
田中 確かに、精神面では生意気なのに、責任はとらない政治家さんが多すぎる。「もっと大胆に政治を進められないのか」「責任を持って取り組む人間はいないのか」と、誰もが思っていますから。
大下 ロッキード事件で刑事被告人になりながら、これだけ国民に愛される政治家も本当に珍しいでしょう。世界中が大混乱している今こそ、新しい田中角栄が現れてくれなきゃ。角さんを歴史の中に閉じ込めるのではなくて、その偉業を受け継いでいかなくてはいけない。このブームは、そういった政治家たちに対する“警告”であると私は思います。
田中 今の政治家は2代目、3代目が多いでしょう。親の築いてきた地盤を、何の苦労もなくそのまま受け継いでいるから、民衆への目線もないし、考えることも地に足がつかないことばかりだ、と言われる各界の諸先輩方も多いです。
大下 だから、3.11 や熊本の大地震みたいな事態が起こった時、「角さんがいてくれたらな」みたいな話はよく出ますけど、他の政治家の名前はまず出てこない。そういう時にエリートの官僚が頼りにならないことを、みんな知っているからなんですよ。
田中 改めて大下さんとお話させていただいて、親父は深い情と実行力を持った人だったんだな、と感じましたね。国民に対する愛情、具体的な国のグランドデザインを持って政策を進め、しかも人間味もある。まさにスーパーヒューマンみたいな存在で、そんな親父を持ってしまった子供は、ただただ重いだけなんですけどね(笑)。
大下 とにかく先見性、記憶力、頭脳、情、全てが規格外の人物でしたよ。僕は角さんに関することを書いていると、何だか戦国武将を書いているような気持ちになって、いまだに血がたぎってくるんですよ(笑)。
田中 かなりの数の著作で親父を書いていただいているのに、いまだにそう感じてくださるのはうれしい限りです。
大下 うん。男性から見てもセクシーでチャーミングですよね。