夏の甲子園・我が心の決勝戦(7)箕島・春夏連覇を決めた「殿馬ばりのサーカススクイズ」 (2/2ページ)
池田バッテリーは懸命にウエスト(バットが届かないようにボールを大きく高めに外す)したが、なんと8番の榎本真治が漫画「ドカベン」の殿馬(とのま/曲芸のようなプレーをする登場キャラ)ばりの“ジャンピングサーカススクイズ”でバットに当て、スクイズ成功。ついに逆転に成功したのだ。
4-3。箕島の勝利でここに史上3校目の春夏連覇が達成されたのだった。そしてこの試合は甲子園における尾藤対蔦という名将の最初で最後の対決となったのである。
1点を守りきれず、惜敗した池田。1点を大事にする野球ではなく、ガンガン打って相手をねじ伏せる“やまびこ打線”で甲子園が席巻するのはそれから3年後のことだった。
(高校野球評論家・上杉純也)