幅広で平らな鼻は、高温多湿に対応する為に進化していった可能性(米研究)

カラパイア

幅広で平らな鼻は、高温多湿に対応する為に進化していった可能性(米研究)
幅広で平らな鼻は、高温多湿に対応する為に進化していった可能性(米研究)

[画像を見る]

 ほとんどの人は鼻を単なる臭いを嗅ぐ器官だと思っているだろう。あとは美の基準としての認識くらいなものか。だがそれだけではない。鼻の形状は異なる気候の中で生き残るため、それぞれの地域の気候に応じて進化していったという。

 『アメリカン・ジャーナル・オブ・フィジカル・アンスロポロジー(American Journal of Physical Anthropology)』誌に掲載された研究によると、北に住むヨーロッパ人の鼻は細くとがっていて、赤道に近い地域で暮らす人たちの鼻は平らで幅広いのは、その地の気温や湿度に適した進化をしてきたからだという。

人間の鼻の機能と形

 鼻はあたかも携帯可能なパーソナル暖房換気空調システムとして機能し、呼吸によって空気が体内に入る過程を容易にする。冬には、鼻が空気を温め、肺の負担を軽くする。乾燥気候ならば、空気に湿度を加えて、気道の乾燥を防ぐ。

 人間の鼻の形は、皮膚の色と同じく、一般に緯度に応じて変化する。北に住むヨーロッパ人の鼻は、細くとがっている。専門家によれば、これはその祖先が冷たく乾燥した空気に適応した結果だという。鼻腔が狭くなるほど、吸い込んだ空気が熱や粘膜の湿気に触れる部分が大きくなる。したがって、こうした地域では鼻はこう進化するしかなかった。

 一方で、赤道に近い地域で暮らす人たちの鼻は平らで幅広い。この地域では空気が暖かく、十分湿気を帯びており特別な処理は必要ない。つまり、寒い地域の鼻がカスタマイズされたものだとすれば、暑い地域の鼻は基本モデルである、とこれまで考えられていた。

[画像を見る]

 しかし、「私たちはそれが正しいとは心からは信じていません」と北テキサス大学ヘルスサイエンスセンターのスコット・マダックス(Scott Maddux)氏は話す。

 マダックス氏らは1901~2013年の世界の気候データを基に、年間の平均気温と湿度のマップを作成した。そして、その結果を1923年になされた147ヶ国15,000人以上の鼻を測った研究と比較した。

幅広で平らな鼻は高温多湿の気候に対応するため?

 すると、幅広で平らな鼻は、基本モデルというより、高温多湿の気候に対応するために進化したものであると考えた方が自然なことがわかった。

 湿気は人体にとって負担が大きい。汗で熱を逃すことが難しくなるために、熱処理を行う別の手段を見つけなければならない。その手段の1つとして考えられるのが、顔の中央に開いた2つの穴からより多くの熱を逃すことだ。鼻が幅広になるほど、体からは大量の熱を放出できるようになる。

 だが、ほかにも疑問が残る。鼻がなす仕事のほぼすべては鼻腔という部分の内部で行なわれている。仮に加熱と加湿を行なうのが鼻腔であるのならば、なぜ鼻の外側が変化しなければならなかったのだろうか、とマダックス氏は疑問を投げかける。 その理由を知るには、さらに奥深く、頭蓋骨にいたるまでを調べなければならないだろう。

 人間のみならず、他の動物においても鼻は顔の大きな部分を占めている。文字通り、頭蓋骨の中核的な要素であり、鼻に起きた出来事を理解することは、顔の残りの部分で起きたことを知ることにつながる。


via:insidesciencementalflossなど、/ translated hiroching / edited by parumo




画像・動画、SNSが見れない場合はオリジナルサイト(カラパイア)をご覧ください。
「幅広で平らな鼻は、高温多湿に対応する為に進化していった可能性(米研究)」のページです。デイリーニュースオンラインは、カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る