簿記は意外と簡単!ノートの左側に「パン100円」と書けばOK

Suzie(スージー)

簿記は意外と簡単!ノートの左側に「パン100円」と書けばOK

簿記の資格を取りたいと思っている人も多いことでしょうが、その一方に「簿記の勉強をはじめてみたものの、難しくて挫折してしまった」という人が少なからずいるのも事実ではないでしょうか?

しかし結論からいえば、簿記の基本ルールは、100円のパンを買ったら、ノートの左側に「パン100円」と書いて、右側に「現金100円」と書く。

ただこれだけだと断言するのは、『これだけは知っておきたい「簿記」の基本と常識』(椿勲著、フォレスト出版)の著者です。

■手に入ったものは「左」と覚えよう

もし、ひとりひとりが好き勝手に右側に「パン」と書いたり、左側に「パン」と書いたりしたら、統一されていないだけにわかりにくくて当然。

だから、「パンと書くときは、みんな同じように左側に書きましょう」と決めたのが簿記だということ。

だから、手に入ったものは「左」、出ていったものは「右」と単純におぼえておけばいいそうです。

そもそも「簿記」とは、「帳簿の記録」のこと。帳簿の「簿」に記録の「記」で簿記だというわけで、ルールに従って帳簿を記録すること。別な表現を用いるなら、「お金やモノの出入りを記録する方法」です。

■個人的なお金の管理なら単式簿記で

「お金やモノの出入りを記録する」といえば、身近なところですぐに思いつくのは、こづかい帳や家計簿ではないかと思います。

しかも著者によれば、こづかい帳や家計簿も、簿記のルールでお金の出入りを記録しているのだそうです。このルールが、「単式簿記」と呼ばれるもの。

単式とは、1万円借りたら、「現金が1万円増えた」という部分だけを記録する方法。

個人でお金を管理する場合は、給料が入ってきて、そのお金で必要なモノを買ったり、貯金をしたりと作業は単純であるはず。そこで、単式簿記でも十分だというわけです。

■会社でお金の管理するなら複式簿記

しかし会社の場合、「商品を渡したけれど、お金はあとで払ってもらう」という場合もあるものです。

また、取引先に小切手を渡すなど、複雑なやりとりも多くあります。当然、これらの記録は、単式簿記では間に合わないことになります。そこで必要になってくるのが「複式簿記」。

複式簿記では、1万円を借りた場合、「現金が1万円増えた」という面と、「借金が1万円増えた」という両方の面を記録しておくわけです。

そうすれば、お金の出入りをはっきりさせることができるから。いわば、お金の出入りを二面的に考えるのが複式簿記だということ。

一般に簿記といえば、この複式簿記を指し、企業などで使われているのもすべて複式簿記だそうです。

■500円のお弁当を買った場合は?

ここで例題をひとつ。

昼食に500円のお弁当を買ったとします。さて、これを二面的に考えるとどうなるでしょうか?

答えは、「500円のお弁当を手に入れた」という面と、「現金が500円減った」という面の2つ。

そして冒頭で触れたように、これをノートに書くときは、ページの左側に「500円のお弁当を手に入れた」、右側に「現金が500円減った」と記入するということ。

このように左と右に分けて記入するのが、簿記の基本だということです。

■ゲームソフトを人に売った場合は?

もう一例。

いらなくなったゲームソフトを友だちに5,000円で売った場合はどうなるでしょうか?

ここには「現金が5,000円増えた」という側面と、「ゲームソフトがなくなった」という側面があるわけです。

だからこのときにも、ノートの左側に「現金が5,000円増えた」と書いて、右側に「5,000円のゲームソフトがなくなった」と記入すればいいわけです。

これが簿記の基本だというわけで、なるほど、身近な話題に当てはめて考えれば、とてもシンプルだということがわかります。

■簿記を身に付けて得られるメリット

では、実際に簿記を身につけたとき、具体的になにができるようになるのでしょうか?

ビジネスパーソンとしての最大のポイントは、会社の「経営状況」と「儲け」を知ることができることだといいます。

たとえばA社の金庫には現金500万円が入っていて、B社の金庫には1000万円が入っている場合、どちらの経営状態がいいかといえば、単純に考えればB社です。

しかし、もしB社には借金が800万円あり、A社は借金ゼロだったとしたら?

この場合、答えは金庫を見てもわかりませんが、帳簿を見ればわかるわけです。B社の帳簿には、「借金(負債)800万円」ときちんと書いてあるから。

つまり正確には、A社のほうが経営状態がいいということ。

帳簿を全く知らない人はB社のほうが儲かっていると考えてしまうけれども、簿記を理解している人は、A社のほうが経営状態がよいことにすぐ気づけるのです。

なるほど、そう考えると、簿記の重要性が分かる気がします。

簿記の入門書である本書のもうひとつの強みは、簿記に無関係な人にも理解できる点。

いわば「資格を取る気はないけれど、簿記の基礎くらいは頭に入れておきたい」という方にも最適だというわけです。ここに書かれているような基礎知識をストックしておくことによって、将来的なビジネスチャンスを広げることもできるかもしれません。

(文/作家、書評家・印南敦史)

【参考】

※椿勲(2016)『これだけは知っておきたい「簿記」の基本と常識』フォレスト出版

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