極私的『HiGH&LOW』の楽しみ:ロマン優光連載65 (3/4ページ)

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『HiGH&LOW』では演者のアドリブも多く、キャラ造りも演出も演者自身のプランによるところが大きなウェイトを占めます。演じる各人の不良漫画感の違いがバラエティ溢れる個性的なキャラ群像につながるわけで、自分が好きなキャラを好きなように演じられるわけだから、みんな楽しそうでテンション高いんですよ。そのわけのわからない熱気が見るものを巻き込んでとりこにしていくわけです。
『HiGH&LOW』は見る人によって物語が違う作品でもあります。ガバガバの部分を各人が自分の脳味噌で補完していくから、各人のバックボーンによって色んな差異が産まれます。どんな不良漫画を読んできたかによっても変わるし、不良漫画の部分も、人によっては少年ジャンプ的なバトル漫画だったりBL的な作品だったり漫画ではない何かだったりするでしょう。ホモソーシャルなバトルものだったら何でも代入できるんです。そういうのない人には映画が最初はつらいかも…まあ、そういう人はドラマから見てもつらそうですが。
 本来だったら欠点でしかない穴の数々が、各人の想いと熱を乗せた器になる。『HiGH&LOW THE MOVIE』は映画というよりは参加型の祭りなのかもしれません。映画を見た後にテレビ版を見て補完する。さらに生まれた穴を自分の脳味噌が補完する。そして再び映画を見る。それを繰り返して自分だけの『HiGH&LOW』を自分の中に作り上げていく。時には他の人の『HiGH&LOW』に羨望の眼差しを送ったり。それが私の『HiGH&LOW』の楽しみ方のような気がします。

『HiGH&LOW THE MOVIE』は欠点だらけの映画ですが、そんなことはどうでもよくなるくらい面白いんです。

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