極私的『HiGH&LOW』の楽しみ:ロマン優光連載65 (2/4ページ)

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でもねえ、一度はまってしまうと、その穴を自然に脳味噌が補完していってしまうのですよ。
 最初は驚愕や疑問の対象でしかなかったAKIRAさん演ずる琥珀さんの演技も、「ああ、琥珀さんは本当におかしくなってしまったんだな。誰がどう見ても異常だもんな。」と自然に受け入れられるようになるし、目の前でさっきまで話していた人が攫われても何もしない雨宮三男の様子も、「人間、あんまりビックリすると思考が停止しちゃうからな。リアリティがある。あんなドリフトかまして人を攫っていく車が現れたら、そりゃビックリするわ。」と納得。街が暴漢に荒らされた様子を見たヤマトが「街がめちゃくちゃじゃないか!」と何の捻りもなく見たまんまのことをいうのも、「自分の街にダンプが突っこんできて、暴漢が大暴れしてたら、それぐらいしか言えないよな。リアリティがある。」と納得するし、ヤマトの直情的で単純な性格をわかりやすく伝える名台詞としか思えなくなります。最終的には演技としてとらえるのではなく、「あれはああいう人なんだ。」と普通に思ってる自分に気付くのです。

 何故、普通の商店街のすぐ近所にSFチックなスラム街が? 平均年令23才の不良高校とは? 琥珀さんの様子がおかしすぎる? 李さん何喋ってるのかわからない…? 色々な疑問が浮かぶことでしょう。しかし、そんなことはどうでもいいことです。見ているうちに自然に自分の脳味噌が補完してくれます。 自分はドラマ版を全然見ずに映画を見に行ったのですが、膨大な数の登場人物が現れ、劇中で関係性の説明がほぼ無いわりには自然に受け入れられたんですよね。それは何故か? 私は不良漫画が好きなんですが、不良漫画を読むことで体内に形成された回路が自然に働いて、鬼邪高は鈴蘭、おにぎりは田中宏的手作り料理最高思想、轟は表面では村山くんを敵視してるが本当は深いリスペクトがあり心の底で強い絆がある、といった風に自然に過去の不良漫画と結びつけていけたんですよね。私にとって『HiGH&LOW』は様々な不良漫画の中の最高のキャラ、最高の名シーンを寄せ集めた最高の二次創作不良漫画が、何故かEXILEマネーの力で実写映画として現実化した奇跡のような作品なのです。

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