【不朽の名作】あのバブル時代でなければ出来ない作品自体が長大なCM「彼女が水着にきがえたら」 (2/3ページ)
正直、キャラもストーリー進行もスカスカで、話しの運びも意味不明な部分が多い。だが、ストーリーはどんなものか思い出せないが、「ああ水中スクーターがこれでもかと出てくるあれ」とか「水上バイクがやたら出てくるやつ」とか言った具合に、強く視覚的な印象に残るシーンというのは多い。この要素だけを見ると、この作品はよく出来ていると言ってもいいかもしれない。作品の狙いとしても、間違ってはいない。なぜなら、この作品全体が巨大なCMとも言えるからだ。
「プロダクトプレイスメント」という広告手法がある。映画やテレビドラマの劇中において、役者の所有物や背景に実在する、商品名・企業名を登場させ宣伝するという方法だ。最近の作品でも主人公が特定の商品ばかり使っていたり、一種類の飲み物ばかり愛飲しているケースがあると思うが、それらはこの広告手法が取られている場合が多い。同作はそのプロダクトプレイスメントがかなり露骨にされている作品だ。劇中に登場するジェットスキー、水中スクーターなどの乗り物から、登場人物の持ち物に至るまで、全て広告。時に背景にまでこれでもかと商品名が映し出される。その登場頻度は2〜3分に1回のペースと言っても言い過ぎではないだろう。仮にこの登場頻度でアクション作品や、サスペンス作品に使われていたら目障りなことこの上ないが、この作品は物欲あふれるバブル期を象徴するような作品なので、自然とそれが許せてしまう。
バブル期には、とにかく金をかけた雰囲気だけで、意味不明なCMというのが結構あったが、同作は劇中全般にわたってそういう手法をやっている。劇中歌として流れるサザンオールスターズの曲もその気分をより煽る。特に劇中に頻繁に登場している水上バイクでのチェイスシーンなど、最後に商品名が出てもおかしくないくらいCM感が強く、水上バイクを「どうだ、格好いいだろ!」と言わんばかりに見せている。冒頭、なんの脈絡もなく民間用ヘリコプターの「ロビンソン R22」に乗って、田中美佐子演じる高橋裕子が登場するシーンもかなり派手で宣伝効果としてはバッチリだろう。当時はヘリをホイホイ買えた人がどれくらいいたかは知らないが。
レジャー用の乗り物だけではなく、主要登場人物が乗る乗用車もねっとりと、必ずメーカーのロゴが映し出される。