イチロー メジャー通算3000本安打の原点 〜スポーツジャーナリスト・友成那智〜 (4/4ページ)
そのため水平にスイングするとヒットが出やすく、素人でも十分使いこなすことができる。それに対しイチローのバットは、グリップが細く、スイートエリアが狭かった。そのため素人にはとても使いこなせない難易度の高いバットである。
しかし、最も大きな相違点は、バットに対する姿勢にあった。
イチローはバットを自分の体の一部のように大切に扱ったが、ローズはバットを平気でインチキの道具に使った。'85年、ローズはタイカッブの通算4191安打に迫っていたが、すでに44歳になりヒットが簡単に出なくなっていたため、コルクバットでヒットを打つことを企み、工具を使ってミズノ製のバットの中にコルクを埋め込んだのだ。
中にコルクが埋め込まれたバットはヘッドが軽くなるだけでなく、バットの反発力も増すので長打が出やすくなると言われている。ローズが、このミズノのバットをくり抜いて作ったコルクバットで何本ヒットを稼いだかは定かではない。用が済んだあと、きちんと処分していれば、知られることもなかっただろう。
しかし、当時のローズは賭博で作った借金で首が回らなくなっており、試合で使ったバットを高値で買ってくれる収集家に売っては、バクチの資金を得ていた。注意力が散漫になっていたローズは、コルクを仕込んだバットまで売ってしまったため、買い主はバットの中に細工した痕跡があることを発見。X線でバットの中にコルクが入っていることが明らかになった。
ローズはこんな涙ぐましいインチキまでしてカッブの4191本を超えたのだ。
こんな人間に、イチローの日米通算4256安打を小バカにする権利があるのだろうか?
答えは聞くまでもあるまい。