北朝鮮「女性虐待収容所」を拡張…米人権団体が告発 (1/2ページ)

デイリーNKジャパン

北朝鮮「女性虐待収容所」を拡張…米人権団体が告発

北朝鮮当局が、教化所(刑務所)の女性収容施設を大幅に拡張していたことが明らかになった。

女性収監者に「性暴行」も

米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、米国の人権団体「北朝鮮人権委員会」(HRNK)のグレッグ・スカラチュー事務総長は、中朝国境地域の咸鏡北道(ハムギョンブクト)にある全巨里(チョンゴリ)教化所の過去数十年に渡る衛星写真を分析。その結果、女性収容施設が拡張されていることが判明した。

北朝鮮の拘禁施設は、強制労働、拷問、劣悪な環境で、国際社会の激しい批判を浴びている。とりわけ、女性虐待が日常化している実態は、元収容者や関係者の告発により明らかになっている。

スカラチュー氏によると、全巨里教化所は1980年から1983年の間に開設された。女性収容施設を拡張したのは2009年2月と8月。収容者数は1990年代末には約1300人だったのが、今では5000人まで増加し、うち1000人が女性だという。

「水責め」の拷問も

収容者が急増した背景には2008年の北京オリンピックが関係している。

中国当局は治安維持のために大々的な脱北者取り締まりを行った。その結果、多くの北朝鮮人が北朝鮮に強制送還された。全巨里教化所は、中朝国境から約25キロのところにある会寧(フェリョン)市の茂山里(ムサンリ)に位置する。脱北したが中国で逮捕され、強制送還された人々が多く収容されている。せい惨な人権侵害が常態化している代表的な施設の一つだ。

2011年まで収容されていたハン・チョンミ(仮名)さんによると、その当時で女性収容者は1000人を超えていたという。2009年には、カツラを製造する作業グループが作られ、午前5時から午後9時まで働かされていた。睡眠時間は2時間から4時間、作られた製品は海外に輸出されていた。

女子大生が拷問に耐えきれず…

「電力事情は悪いのに、24時間電気が付けられていました。自殺や反乱の動きを監視、察知するためです。食事の量がごくわずかで、塩気がありません。収容者に塩を与えると脱走するという理由です。

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