【プロ野球】《野球場スタンド百景》野球観戦の裏側で…… ~ビールの売り子と客の人間ドラマ~ (1/2ページ)
「ビールいかがですかぁ~」
にこやかな笑顔をこちらに向けながら、愛くるしい声がひびく。
いかにも重たそうなビールサーバーを背負い、カラフルなユニフォームに身を包んだビールの売り子たちに、ついつい目を奪われてしまう。
「どの子から買おうかな!?」
男性諸氏ならそんな思いがよぎっても不思議ではない。
「飲みそうな客を見つけないと!」
反対に、売り子たちは、一刻も早く自分の客を見つけることに全神経をそそぐ。
“たかが、ビール! されど、ビール!”
売り子と客の不思議な関係に迫ってみた。
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■ビール販売数は売り子の人気のバロメーター
常連客をいかにつくるか!
売り子たちは客に対して常に積極的に仕掛ける。たくさん飲む客を見極め、まずは世間話からスタートさせる。
客がビールを飲み終えるタイミングを計り、2回目、3回目とお呼びがかかれば脈あり。自らの常連客として囲い込んでいく。
では、どうして売り子たちはビール販売にこんなに積極的になるのだろうか? ひとつは、彼女たちの給与は販売した杯数を元に歩合給として換算されるシステムだからだ。売れる子、売れない子では、給与の額に雲泥の差がつく。
また、甲子園球場でのプロ野球開催時には、月間販売数に応じてエリアごとに売り子たちのランキングも公表される。売れる子、売れない子がはっきり数字で明らかにされるのだ。これが彼女たちのモチベーションにつながっている。
ただ、根本的な理由としては、もっと奥が深い。
“常連客を多く持つこと”は、イコール、“男性諸氏からの人気度のバロメーター”に置き換えられるということ。端的に言うと、“もてる”か“もてない”かの断が下されるわけだ。
彼女たちの認識では、販売数ランキングではなく、人気度ランキングなのだ。イメージとしては、流行りの「総選挙」に近いのかも知れない。