「消えた主役」名作ドラマ・映画の知られざる“交代劇”(3)ジュディ・オング「魅せられて」ヒットで「将軍」ヒロインが消えた (2/2ページ)
神妙な表情で、そして涙をこらえながら「辞退」を語った。
「私の人生でも最も大きな選択でした。この体が2つあれば‥‥それこそ孫悟空になって分身できないかと思ったくらいです」
大賞が狙える位置にあった「魅せられて」という“大きな船”から、エンジンである自分が降りてしまうことはできなかったと言う。その決意に応え、ジュディは大みそかに「日本レコード大賞」の栄誉を獲得する。70年代最後の年の大賞であり、所属するCBS・ソニーにとっても悲願の初受賞であった。
「受賞の瞬間に、ソニーの大賀典雄社長に肩を抱かれて言われたんです。アメリカで女優として羽ばたくのも大きなチャンスだ。だけど歌を選んだジュディが大賞を獲ったのだから本当によかったって‥‥」
近年、「ルーズヴェルト・ゲーム」(14年、TBS系)の女社長役など、女優としても新たな評価を得ている。悔いのない選択は、長い年月を経て確実にフィードバックする。