「消えた主役」名作ドラマ・映画の知られざる“交代劇”(5)八千草薫が「山口百恵スケジュール」にキレて降板 (1/2ページ)
いい役のためなら、相手が誰であっても絶対に譲らない! そんな女優たちの、阿修羅のごとき交代劇をクローズアップする。
2度も大役を蹴ってしまった悲運のアイドルがいる。84年にデビューした沖縄出身の宇沙美ゆかりという子だった。
宇沙美はまず、「不良少女とよばれて」(84年、TBS系)のヒロインに内定したが、事務所が「アイドルに不良なんかやらせられない」と激怒。
このタイミングで伊藤麻衣子(現・いとうまい子)が抜擢され、20%近い平均視聴率を獲得する。
宇沙美は、続く「スケバン刑事」(85年、フジテレビ系)の麻宮サキ役も決まったが、同じテイストの映画「Vマドンナ大戦争」(松竹)を優先し、こちらも辞退。代わってヒロインを務めた斉藤由貴が大人気となり、宇沙美はほどなく引退している。
近年、女優の降板劇で物議を醸したのは、尾野真千子である。故・大原麗子の生涯を描いた「女優 麗子~炎のように」(13年、テレビ東京系)の主演を発表しながら、ドタキャンしてしまった。
「同時期にオンエアされたフジの『最高の離婚』とダブルブッキングしていたというのが真相。代役に当てた内山理名では視聴率も振るわず、制作サイドは告訴も辞さない構えでした」(スポーツ紙放送記者)
モデルになった大原麗子は悲哀を味わっている。自身が原作を探し当て、映画化を強く望んだのが「愛を乞うひと」(98年、東宝)だったが──、
「大原は当時、ギランバレー症候群などの影響で、顔のやつれ方がひどかった。とてもスクリーンでアップにできないと、大原の希望は却下されました」(映画ジャーナリスト)
主役を射止めた原田美枝子は、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞など、対照的な活躍を見せたものだ。
意外な理由で役を途中で降りたのは八千草薫。山口百恵主演の「赤い疑惑」(75年、TBS系)で、百恵の母親役を演じた。重要な役でありながら、わずか6話で降板したのは「百恵スケジュール」のためと言われている。