【コンピューターゲームの20世紀 70】リセットは邪道か常道か『Wizardry #1 Proving Grounds of the Mad Overlord』 <後編> (2/3ページ)

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もしもパーティーが全滅してしまった場合には死体はそこに残されたままとなり、プレイヤーは他のパーティーで回収に行く必要がある。当然予備パーティーなど育てていない場合には、再び1からキャラを育て直す必要があるのだ。さらに死んだキャラの復活に失敗すると死体は灰になってしまい、そこからの復活にも失敗するとキャラはロストとなり永久に失われてしまう。しかも、首切りの即死攻撃であるクリティカルヒットや、体力を一定数奪う強力なブレス、高レベルの呪文などによって、死や全滅は本作にとって日常茶飯事である。さらにキャラのレベルを下げるエナジードレインという恐ろしい攻撃もあり、これらを前にリセットを封印できるプレイヤーはどれだけいるであろうか。

 ちなみにオリジナルであるApple II版にはダンジョン内でのセーブはそもそも存在せず、10階の敵からはほぼ逃れられないという鬼仕様。リセットした場合はダンジョンに入る前の城でのセーブデータから復帰することになる。

 こういった仕様からか一部のマニア(というか懐古的なプレイヤー)を除き、本作のリセットを許容するプレイヤーは多い。もっと言ってしまえばリセットが前提のゲームだと思っているプレイヤーも少なからずいるのだ。その原因となったのがファミコン版の存在である。かなり後発であったファミコン版は各種PCと比較してもリセットからの立ち上がりが恐ろしいまでに速く、ことあるごとにリセットするプレイヤーが続出した。また、ファミコン版はPC版に比べてグラフィックが素晴らしく、呪文や罠の解除にキーボードで文字を打ち込む必要もないため、実に快適に『Wiz』をプレイすることができたのだ。

 このファミコン版によって日本における『Wiz』人口は劇的に増加し、かなりマニア向けゲームである本作が多くの人に遊ばれるきっかけにもなった。ちなみに移植を手がけたのは遠藤雅伸氏が率いるゲームスタジオで、その完成度の高さはロバート・ウッドヘッド氏をして「その時点においてはベストの『Wiz』」と言わしめたほどである。

 先ほどファミコン版プレイヤーにリセット前提の人が多いと述べたが、これには理由がある。実はファミコン版には後年になって発覚した重大なバグがあり、それによりリセットをして当たり前のゲームになっていたのだ。

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