実は大問題だったカーボン複合材の廃棄問題を解決する技術 (2/2ページ)
プラスティックの成分であるポリマーの母材は架橋結合していて簡単には溶けない。そのためカーボン繊維から分離することがむずかしいのだ。なお、カーボン繊維は特に再利用の価値が高いが、樹脂から分離しないと、再利用はむずかしいようだ。
■ vitrimerエポキシに有効
研究チームは、カーボン複合材に使われるエポキシ樹脂のなかでもvitrimerと呼ばれるタイプのものに注目した。vitrimerは傷がついても自己修復をする機能があるユニークな樹脂だ。
「vitrimerは一定の状況であれば、一体性を保ったまま自ら構造を変化させることができるダイナミック・ボンドを含んでいます」とYu氏はいう。「私たちは、そこに、小さな分子を持つアルコールを加えることで、(vitrimerの)組織が変化する反応に参加させ、vitrimerを溶かすことにしました」
このリサイクル手法は、アメリカとヨーロッパだけで毎年何千トンも出てくるカーボン複合材の廃棄物の問題を解決できる可能性があるという。また、このリサイクル手法は非常にシンプルなので、スケールアップも容易だそうだ。
カーボン複合材は魅力的な材料だ。たとえば自動車や飛行機を軽くすることができれば、それだけ燃費を改善することができる。現時点では、価格もネックだが、今後はより活躍の場が広がっていく素材だろう。しかし、カーボン繊維は、材料も高価だ。こういう手法でリサイクルが可能になれば、ゴミも減るし、カーボンの価格も下がるかもしれない。実用化に期待したい研究だ。
【参考・画像】
※ New Carbon Fiber Recycling Process Could Help Firms Reduce Waste | GT | Georgia Institute of Technology – Georgia Tech’s Research Horizons