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生体の細胞膜を参考にしたバッテリーで充電がスピードアップする?

source:https://news.osu.edu/news/2016/08/23/battbrane/

電気自動車は走行中には温室効果ガスを出さないため、エンジンを使った自動車よりクリーンだといわれている。しかし、その普及のためには、航続距離が限られること、そして再充電に時間がかかることが大きな課題だ。その問題を改善する新たな研究が発表された。ユニークなことに、これもまた生体の細胞膜から発想を得た技術を用いている。


■ フル充電に8時間が必要

これはオハイオ州立大学の研究チームによる発表だ。同大学のサイトで発表されている。研究の核心は、充電池において、使っていないときの自然放電を防ぐとともに、従来よりも速い充電を可能にするプラスティックの薄い膜を開発したというものだ。

彼らの研究によれば、現在、電気自動車の充電限界は、およそ1分あたり走行距離0.4マイル分だ(※これは家庭用などの一般的な充電器の話で、急速充電器は除いていると思われる)。そして、高性能な電気自動車ならば約200マイルの走行が可能だが、そのためには約8時間の充電が必要だ。この充電時間を短縮したいというのが、同研究チームのねらいだ。

研究チームのVishnu-Baba Sundaresan助教授は、既存のタイプのバッテリーを使うかぎり、もはやパフォーマンスの限界に達しているという。「過去50年あまりの研究は、バッテリーの容量を上げるための、電極の化学的な進歩に的を絞ったものでした。しかし、もはや容量の向上は、コストと急速な充電、放電の限界にまで来ています。もうリチウムイオン電池の化学の限界に達しているのです」

Sundaresan助教授らが考える新しいバッテリーは、電解液にエネルギーを貯める方式のレドックスフロー電池の一種で、彼らは『イオン・レドックス・トランジスター』と名づけている。日常的には充電器にプラグイン接続することで充電を行う。そのいっぽうで、長距離移動の際には、電解液そのものを交換するという方法でも充電することができる。そうすれば短時間に満充電にできるわけだ。

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