巨人V逸で始動「原辰徳GM就任」という“秘策”

日刊大衆

巨人V逸で始動「原辰徳GM就任」という“秘策”

 屈辱的ゲーム差での2位にもはや黙っていられない。泣く子も黙るあの名将が、悩める“愛弟子”のために再び球界に帰還する……!?

「今年は賭博問題とか、いろいろ想定外の事態があって、スタートのときから厳しい状態だったから、非常に苦しい展開になることは予想されていた。その中ではよく頑張っている」 9月10日、広島カープとの直接対決で敗れ、リーグ優勝を許した巨人軍。その2日後の12日、都内で行われたオーナー会議に出席した巨人の老川祥一オーナー(74)は、記者たちの前で高橋由伸監督の手腕を高く評価し、来季の続投を明らかにした。

 しかし2位とはいえ、巨人が首位・広島に14ゲームもの差をつけられ、本拠地・東京ドームでの胴上げを許してしまったことは事実。「巨人は“常勝”が義務づけられたチーム。このようなブザマな形でのV逸は、初年度は許されても、来年以降は許されるはずがありません。来季は3年契約の2年目とはいえ、成績次第で由伸監督のクビも危うくなる可能性があります」(スポーツ紙デスク)

 坂本勇人がリーグ首位打者、菅野智之が防御率トップに立つ活躍を見せながらも、貧打・投壊が露呈し、怪我人の多発も相まって、どうしても“タマ不足”のイメージがつきまとった巨人。今年のようなことを繰り返さないためには、オフシーズンの「補強」が何より重要になってくるのは言うまでもない。しかし、最近の巨人は、補強がうまくいっているとは言い難い。「ここ最近、巨人はドラフトも外国人もカンが外れっぱなし。それでいて、かつて、長嶋監督時代のように他球団のエースや4番などFA選手にことごとく触手を伸ばすという荒業も、最近はなかなか通用しない。このまま若手の育成もできなければ、ジリ貧は明らかです」(前同)

 そこで今、球団内部ではにわかに“ある話”が現実味を帯び始めているのだという。「原辰徳前監督(58)の待望論です。といっても監督再登板ではなく、監督退任後、巨人軍特別顧問というポストに就いている原前監督を、新たにGMとしてチームに迎えようという声があるんです。多くの球団関係者が、この案を歓迎しているそうですよ」(同)

 巨人の監督を務めた通算12年の間に7度のリーグ優勝、そして3度の日本一を成し遂げた名将・原氏。ときに情熱的に、ときに非情にチームを率いたその采配ばかりが注目されるが、実は、監督時代から選手の補強をフロントに提言し、そのいくつかを実現させている。「原さんは、選手の能力を見極め、力を引き出すのがとにかくうまい。FAで巨人入りした小笠原道大(現・中日2軍監督)、ラミレス(現・横浜DeNA監督)らは、そこに心酔し、揃って“原監督の指導を受けたい”と言っていました。GMの仕事は、いいチーム編成をして監督に預けることですから、原さんの眼力はうってつけですよ」(全国紙巨人軍担当記者)

 しかし、実はその眼力が、原氏の監督退任の引き金になったともいわれている。「もう時効だからバラしますが、09年春、侍ジャパンの指揮官となった原前監督は、WBC決勝ラウンドが開かれているアメリカで、当時は横浜にいた内川聖一に“FA権を取得したら、うちに来てくれないか”と耳打ち。内川は小躍りして喜んだそうですよ」(前同) しかし、最終的に内川は、ソフトバンクを移籍先に選んだ。その裏には、思わぬ“横槍”があったのだ。「原監督も内川自身もその気だったのに、当時、巨人のGMだった清武英利さんが“(内川が)守るポジションがないじゃないか”と、この移籍話を潰してしまったんです」(巨人軍関係者)

 確かに、当時の巨人には、ポジションのかぶる小笠原がいた。「ですが、実はこのとき、原監督は“ガッツ(小笠原)は、そろそろ動体視力が衰えてきている”と言っていたそうです」(前同) その言葉通り、09年は打率.309に本塁打31、10年には打率.308、本塁打34と大活躍だった小笠原は、11年に入って打率.242、本塁打5と、急速に力を落としていく。「原さんの眼力の確かさが、不幸にも証明されました。その後、巨人は村田修一をDeNAから獲得しましたが、現在、内川と村田のどちらに力があるかは明白。内川が巨人に来ていれば、セ・リーグの勢力図は、今とは大きく変わっていたはずです」(前出のスポーツ紙デスク)

 また、14年シーズン中のこと。原氏は即戦力の捕手として楽天・嶋基宏のFA獲得を主張したが、フロントが「ドラフト1位で小林誠司を獲得したばかりだから」と難色を示したという。「原監督が当時の渡邉恒雄最高顧問に直訴して、ようやくフロントも動きましたが、時すでに遅し。“巨人フロントは乗り気でない”という情報が嶋本人の耳に届き、オジャンになった」(前出の巨人軍関係者)

 その後、“ポスト阿部慎之助”を託された小林が伸び悩んでいることを考えると、ここでも原氏の眼力は確かだったことになる。「巨人のフロントや歴代GMには選手として現場を見てきた人はほとんどおらず、大半が野球のことなど分からない、読売新聞からの“天下り組”ですからね。この2件で原監督は“連中は何も分かってない”と憤懣を感じ、それが突然の“勇退”へとつながったとの見方もあるんです」(前同)

 そして、今オフのFA戦線でも、やはり巨人は出遅れている。「オリックスの糸井嘉男、中日の平田良介と大島洋平、日本ハムの陽岱鋼、西武の岸孝之、DeNAの山口俊などがFA権を得ますが、彼らは軒並み巨人以外の球団が本命。FAになるのは分かっていたのだから早く動けばよかったのに、それをせずに、まんまと他球団にリードされています。昔のように一も二もなく巨人に入りたいという選手など、もういませんからね」(前出の巨人軍担当記者)

 だからこそ今、原GMの力が必要なのだという。「“ON”の時代を引きずった天下り組ではなく、ONなき後の現場で戦ったシビアな経験を持つフロントを作るのは、実はナベツネさんの意向でもあります。かつては対立した原さんとナベツネさんですが、監督としての実績が認められ、現在は蜜月。すでに原さんはナベツネさんの“全権委任”を取りつけたという噂もありますよ」(前同)

 監督時代、“分かってない”フロントに何度も煮え湯を飲まされた原氏にしてみれば「チーム編成の全権を握ったGM」という立場は願ったりかなったり。誰にも邪魔されず、思う存分、辣腕を振るえるのだ。「原さんには由伸監督に対して“自分の退任で面倒を押しつけてしまった”という負い目もありますからね。苦戦する由伸監督をなんらかの形で援護してやりたいという気持ちがあるんです。今オフも条件は厳しいですが、なんとかGMに就任し、球界の盟主を復活させてほしいものですね」(同)

 原GMの“補強術”によって、ようやくまともに戦える環境を得た由伸監督が、その眠れる力を発揮する。そうして“名将の系譜”は受け継がれるのか。注目したい。

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