ピンクリボン「乳がん」男も知っておくべき基礎知識(2)
遺伝以外の後天的要素としては、まず過度の飲酒や喫煙が問題となるのは他のがんや生活習慣病と同じ。他にも乳がんの要因としては巷間さまざまな言説が伝えられる。
「うちの嫁はどこで聞いてきたのか“小麦と乳製品は体に悪い”“大豆イソフラボンが予防になる”と、ここ数年で食卓に並ぶのは豆腐や納豆ばかり。たまにはパンやうどんも食べたいんだけど…」(57歳・自営業)
乳製品、小麦に砂糖の3食材は、乳がん発症リスクを高める“白い三悪”と呼ばれることがある。食生活が欧米風に変化するにつれて日本での乳がん発症が増加したことがその裏側にあるようだが、ただし、これらの因果関係は科学的に立証されていない。
一方、大豆イソフラボンについては近年の研究で発症軽減に一定の効果が認められている。とはいえ、サプリメントなどで大量摂取すればさらに予防効果が高まるというわけでもないようで、「なるべく大豆食品の摂取を心掛けるという程度で十分」(医療ジャーナリスト)とのこと。
「妻は“ブラジャーで締め付けるのがダメ”と言って50代にしてノーブラ生活。家の中ではともかく、外出時はちょっと考えてほしいんだけど」(55歳・会社員)
ブラジャーで締め付けると血流が滞り、発症リスクが高まるのは確かなようだ。ただ、最近は締め付けない高機能ブラもあるので、そちらで対応することも一考すべきだろう。
「アラサーの嫁はウソかホントか“若いうちの肥満は乳がん発症を抑える”と言って、ここ数年は食っちゃあ寝ての繰り返し。体重もかつてから20キロ増で、今では乳がんよりも生活習慣病が心配です」(36歳・サービス業)
“閉経前の肥満はリスク低下、閉経後の肥満はリスク上昇”とする説は、閉経後の肥満が特にリスクを高めることからの誤解。閉経前の肥満であっても平均値の女性よりリスクは高いとの研究もある。
他にも「子だくさんだと乳がんにならない」「巨乳よりも貧乳がなりやすい」「毎日揉まれているとならない」等々が聞かれるものの、いずれも俗説で科学的根拠は薄いようだ。
また「乳がんのしこりは痛みがない」「硬いしこりは危ないが軟らかければ問題ない」等、症状に関してもさまざまに言われるが、これは個々人によって大きく異なるもの。俗説をうのみにすることなく、検診受診こそが一番のリスク軽減策であることを心得たい。
しかし、その検診も万能ではない。
「乳房のしこりに気付いて受診したところ、結果は問題なし。それでも気になったので別のところで再検査をしたら、結局、初期の乳がんでした」(39歳・主婦)
実は日本人女性の中には、体質的な原因から一般的なマンモグラフィー(乳部エックス線)検査だけでは、がんが発見しづらい人もいる。特に若い人は乳腺が発達しており、発症個所によっては見落とされてしまう場合もある。小林麻央や北斗晶も、最初に同検査を受診した時点では問題なしとされていたという。
マンモグラフィー以外でも、超音波検査や触診など別の有効な検査方法があるので、しこりや乳頭からの異常分泌などの具体的な兆候を感じたときには、不安が解消されるまでさまざまな検査を併用してみることが大切だ。
検査の結果、単なる思い過ごしであったとしても何ら恥ずかしいことではない。またこのとき、一般的な産婦人科よりも乳腺専門医で受診する方が精度が高いことは知っておきたいポイントだ。