​飛行機の中で急病患者が出たらどうなるの?

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飛行機の中で運悪く体調が悪くなったらとても辛いですよね。でも、航空会社はそんな人のためにもきちんと対処法を用意しています。2016年12月17日放送、「総合診療医ドクターG」では、飛行機の中で起こった急病についての対応を紹介しました。

飛行機の中で急病人が出ると、乗客の中にいるドクターや看護師に声がかけられます。飛行機の中で急病人が出て医者を呼ぶことをドクターコールと呼びますが、ドクターコールの結果、乗客の中にドクターや看護師がいる場合は、彼らによって治療が行われます。飛行機の中にもAEDなどある程度の医療器具はあり、心臓マッサージなどが可能です。

しかし、心臓マッサージはあくまで応急措置でしかないので、その先、緊急着陸してまで救急搬送するかどうかは機長の判断に委ねられます。機長としては、最も近い空港に緊急着陸したほうがいいのか、それともこのまま飛んで目的地まで行ったほうが早いのか、即座に判断する必要があります。緊急着陸したほうがいいケースもありますが、意外なことに、そのまま目的地までフライトを続けて正規の目的地で乗客を降ろしたほうが患者の容体にいいことも。パイロットには迅速な判断が求められるのです。

ドクターコールの頻度は、1000フライトあたり5.43件。毎日多くのフライトが飛んでいることを考えると妥当な数字といえるでしょう。多くの便で、医師が搭乗しているケースがあります。だがドクターコールに応じるかどうかはその医師の良心しだいなので、名乗りでない人ももちろんいます。ドクターコールに応えなくとも、日本では罪にならないのです。医師法では「医師は診療の求めがあった場合には正当な事由がなければこれを拒んではならない」とされていますが、飛行機は医師も乗客として登場しているので、「診療に従事する医師」には該当しないため、業務外なのでドクターコールには必ずしも応じる必要はないのです。またドクターコールは当然だが報酬も出ません。無報酬で善意で行うものなので、ドクターコールを無視する医師を責めることはできないでしょう。

日本では、何かあった時に治療にあたったものの責任になってしまうため、トラブルを回避するためにドクターコールに応じない医師も一部います。医師の責任の範囲をもう少し狭くしたほうが、ドクターコールに応じやすいと言えるでしょう。

たくさんの対策がなされているとはいえ、飛行機の中での急病には気をつけたいもの。少しでも体調が悪い時は大事をとって予定の変更も考えておきたいですね。

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