たった3分の面談でわかる!絶対に「目標達成できない人」の特徴
『やる気に左右されず結果を出す あらゆる目標を達成するすごいシート』(佐藤耕一著、日本実業出版社)は、日本で数少ない目標達成の専門家である著者が、誰でも目標をクリアできるようになるノウハウを明かした書籍。
コピーして使える折り込み式の目標達成シートを使用して、モチベーションが下がったり、行動に迷ったりしたときに乗り越える方法を伝授しているわけです。
しかし、その方法を試すよりも先に、「なぜ、目標が達成できないのか」を確認しておくべきではないでしょうか?
そこできょうは、第1章「その目標、達成できなくて当然です」に注目してみたいと思います。
■意外に多い目標とどう向き合うべきか
具体的な目標はもちろんのこと、「こうなったらいいなあ」というような夢なども含めれば、目標は意外なほど日常のなかに多くあるもの。
また、数年後に実現させたい夢もあれば、1カ月先までにやらなければいけないこともあるはずです。
しかし残念ながら、その目標をしっかり達成しているということは、それほど多くないはず。
目標は、いま現在、“その状態になっていない状況”からはじめるものなので、達成するためにはなにかしらの「行動」をしなければならないわけです。
しかも「チャレンジ」と呼ばれるような、新しく、しかも高い目標だと、行動そのものをかなり変えていく必要があるでしょう。
■行動を変えられる人は100人に3人
つまり「目標を設定し、行動を変えて、達成する」という“当たり前”の方法は、極端にいえば一部の天才か、もともとそういう資質がある天才型予備軍、あるいは目的意識の高い人が集まっている一部の企業でなければできないだろうと著者は考えているのだそうです。
それどころか、さまざまな組織で目標達成のコンサルティングをしてきた実感として、一般のビジネスパーソンのなかで、きちんと目標を設定して行動を変えられるような人は「100人に3人いるかいないか」だとすらいうのです。
そういう人は、いまは一般社員だったとしても、将来は経営幹部になっていく可能性があるので、結局は天才型。
だとすれば、もし天才型でないのなら、そもそも目標を設定し、それに向かっていこうという通常の目標達成の方法自体が間違っているということになるはず。だから、目標をクリアできなかったとしても当然だというのです。
■目標を達成できない人は3分でわかる
「目標に向かって取り組んでいきそうな人か」「達成しそうかどうか」は、3分ほど目標や達成の方法について話してもらっただけで、ある程度わかると著者はいいます。
また、明らかに達成しない人もすぐにわかるのだそうです。そして、目標を達成できない人は面談のなかでの発言に、次のような特徴があるのだとか。
・直接的な否定が多い
例:~できません。~ないです。
・間接的な否定が多い
例:~は難しいです。~は厳しいです。
・周囲の環境を言い訳にあげる
例:~の地域の市場はA社が強くて~。為替の影響で~。
・いい切りや断定をしない表現が多い
例:~と思います。~するつもりです。~の努力をしようと考えています。
・根拠のないお気楽な言葉を言う
例:できます、やります、がんばります、だけの繰り返し。
・他人ごとで自分の目標として捉えていない
例:~に与えられた~。上から降ってきた~。上からいわれた~。
このような発言をよく見てみると、これらの言葉を使っている人は、最初から目標を達成するつもりがないことがわかると著者は指摘しています。
「どうせ無理です」「やろうとは思うけど、たぶんやりません」「あまり自分には関係ありません」と宣言しているようなものだというのです。
■変化を嫌うのが人間の普通の心理状態
ただし、このような発言が悪いということでもないのだそうです。むしろ普通の人にとっては、これが当たり前なのだとか。
誰しも、「目標を達成したくない」などとは思っていないはず。しかし、よほどのことがない限り、人はいまの状態を変えたくないと思っているというのです。
なぜなら、変化を嫌うのが人間の普通の心理だから。
しかし、いまの状態を変えないのであれば、行動も変わりませんから、目標の達成は困難になります。
つまり、「目標を設定して達成する」ということは、普通の人にとっては、どちらかといえば苦手なこと。だからこそ、「目標を設定しても達成できない」ということになってしまうわけです。
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こうした考え方を素直に受け入れたうえで先に進み、ぜひ目標達成シートによるメソッドも実践してみてください。いつの間にか、目標達成のコツをつかめるかもしれません。
(文/作家、書評家・印南敦史)
【参考】
※佐藤耕一(2016)『やる気に左右されず結果を出す あらゆる目標を達成するすごいシート』日本実業出版社