【プロ野球】優勝前年に広島を去ったかつての主力・栗原健太(楽天)。選手生命をかけた今シーズンに迫る! (2/2ページ)

デイリーニュースオンライン

■リーグ優勝したかった……。心に残るひとつの悔い

 選手人生をかけて、勝負に挑んだ今シーズン。全力でぶつかった結果の引退。やり残したことはなかったはず。しかし、栗原の気持ちの中には悔いが残っていた。

 引退会見の席上、栗原はプロ野球生活を振り返り、正直な気持ちを漏らした。

「悔いはないが、ひとつあげるとしたら、リーグ優勝の経験がないこと。優勝した広島カープ。その中に自分がいられなかったのが残念」

 広島ファンには、栗原に対し強い思い入れを持つ者が非常に多い。


 というのも、エース・黒田博樹、4番・新井貴浩が同時にチームを去り、窮地に陥った2008年。その苦境で孤軍奮闘し、チームを牽引したのがほかならぬ栗原だったからだ。

 最後の最後までCS進出争いを演じたチームにあって全試合4番で出場。安打、打点、打率で自己最高の数字を記録した栗原には、恩義に似た感情すら持ち合わせているのだ。

 チームが一番苦しいときに、最も頑張ったのは栗原。それはファンの誰もがわかっていた。

 2008年以降も栗原は4番として活躍。低迷するチームの顔として苦しい時期に踏ん張った。それだけに優勝の輪に栗原がおらず、他球団でひっそりと引退してしまった事実が、消化しきれない思いとしてファンの中に強く残る。

 栗原自身が広島優勝の輪に入れなかったことを悔やむように、ファンもそこに栗原がいなかったことが寂しくてならないのだ。

 栗原は、来シーズンから楽天の2軍打撃コーチへの就任が決まった。現役では味わうことのできなかった優勝の味は、指導者として経験してほしいと切に願う。そして、いち広島ファンとしては、指導者として再び広島のユニフォームに袖を通してくれることを願って止まない。

 ケガに泣かされた悲運のスラッガー・栗原健太、第2の野球人生に幸あれ!

文=井上智博(いのうえ・ともひろ)

【関連記事】
「【プロ野球】優勝前年に広島を去ったかつての主力・栗原健太(楽天)。選手生命をかけた今シーズンに迫る!」のページです。デイリーニュースオンラインは、栗原健太楽天野球太郎プロ野球スポーツなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る