ソニーPSVRをいち早く体験!気になる“VR酔い”を徹底レビュー

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話題のPSVRの“VR酔い”を検証
話題のPSVRの“VR酔い”を検証

 10月13日、ソニーからPSVRが発売されました。筆者もVRには並々ならぬ期待を抱いているのですが、気になるのがVRで気分が悪くなる「VR酔い」現象です。そこで今回はPSVRの様々なローンチタイトルを試遊して、VR酔いの実際を確かめてきました。

 なお筆者は、乗り物であれば車、バス、船、新幹線と、なんでも乗り物酔いする虚弱体質なので、VR酔いに関しても概ね人類最弱の部類と考えて頂いて良いかと思います。

■VR酔いの実際を検証

ロンドンハイスト

プレイ時間:15分(ギブアップ)
VR酔い度:★★☆☆

ゲーム内容:「PlayStation(R)VR WORLDS」収録ゲーム。ロンドンギャングの一員となってダイヤを奪ったり、銃撃戦をしたり、カーチェイスをする主観視点のクライムシューティング。主人公の移動はないのでプレイ感覚としては「すごくリアルなガンシューティング」。

VR酔いチェック:対話シーンでは一切問題なし。主人公が移動せず、定位置で銃撃するシーンでも問題はなかったが、次のカーチェイスシーンで酔った。そもそも車に乗ってる感じが非常にリアルなので普通に車酔いしかけたし、最後にボロボロになった主人公の車がゆっくり停止するのだが、この「自分は意図しないのに乗っている乗り物が止まる」感覚がかなりの気持ち悪さを招き、ギブアップ。

オーシャンディセント

プレイ時間:15分
VR酔い度:☆☆☆☆

ゲーム内容:「PlayStation(R)VR WORLDS」収録ゲーム。ダイバーとなってサメ避けのケージに入って深海へと潜り、沈没した原子力潜水艦からのサルベージを試みる。操作要素は一切ないのでゲームというよりもリアルなショートムービーといった趣。サメに襲われる迫力もさることながら、深海生物の美しさに目を惹かれる。

VR酔いチェック:ケージは等速でゆっくりと深海へ降りていき、上がる時も等速でゆっくり上昇する。サメに襲われた時に画面が揺れるが、特に問題はないレベル。エレベーターで酔わない人なら多分問題なし。

デンジャーボール

プレイ時間:15分
VR酔い度:☆☆☆☆

ゲーム内容:「PlayStation(R)VR WORLDS」収録ゲーム。いわば3Dエアホッケー。ゲーセンによくあるエアホッケーに高さの概念が加わった感じのゲーム。ゲーム性はシンプルで分かりやすく十分に面白い。目線でラケットを動かすのだが、実際は首をグングン振りながら遊ぶことになる。

VR酔いチェック:酔わないが、VRならでは、といった映像でもない。ゲームとしては面白いが、新しい時代を感じることはなかった。

VRリュージュ

プレイ時間:3分(ギブアップ)
VR酔い度:★★★☆

ゲーム内容:「PlayStation(R)VR WORLDS」収録ゲーム。ウィンタースポーツであるリュージュをなぜか公道で行うというシュールなゲーム。仰向けに寝転がった姿勢で公道を走るので、プレイヤーも実際寝転びながらやった方が臨場感が出るだろう。

VR酔いチェック:今回最短の3分でのギブアップとなったが、これはチュートリアルがなかったため。ゲーム性自体は素直なレースゲームだが、筆者はそもそもレースゲームで酔ってしまうのだ。昔はマリオカートでも酔っていた。ただ、レースゲームで酔うのは「自分が思った通りに動けない時」に多いため、マリオカートもちゃんと走れるようになれば酔わなくなったし、VRリュージュも少し上手くなれば克服できる気がする。その点を考慮して★は3とした。

スカベンジャーズオデッセイ

プレイ時間:10分(ギブアップ)
VR酔い度:★★★★

ゲーム内容:「PlayStation(R)VR WORLDS」収録ゲーム。ロボットのコクピットに乗り込み、宇宙空間や惑星を探検するアクションゲーム。視点はコクピットから外界を見ている形になる。定点画面(プレイヤーは動けない)のゲームが多い中、これは自在に動くことができる。銃撃やジャンプアクションなどがあり、敵とも戦えるが、筆者は敵と戦うところまで辿り着けなかった。

VR酔いチェック:なぜVRには定点画面のゲームが多いのかがよく分かった。自由に動けると途端に酔いやすくなるためだ。特に、移動中に何かにぶつかって止まったりすると、「自分の意志に関係のない動き」が発生してすごく気持ち悪くなる。「PlayStation(R)VR WORLDS」収録ゲームの中では一番ゲーム性が豊かで、新時代を感じさせたが、その分、ハードルも一番高かった。「普段は乗り物で酔わない」という友人も20分でリタイアしていた程だ。

サマーレッスン

プレイ時間:23分
VR酔い度:☆☆☆☆

ゲーム内容:女子高生の家庭教師を七日間務めるというもので、ゲーム性はあえて言うなら、ゆるい育成ゲームだろうか。しかし、このタイトルはゲーム性がどうこうではない。VRの実力が如実に発揮されており、「女子高生の私室に上がり込んだ背徳感」や「女子高生の胸先10cmで会話する非日常感」を体感するのが、この作品の全てだろう。

VR酔いチェック:一人称視点だが、主人公は全く動かないので気持ち悪くなることはない。だが、プレイヤーは女子高生の胸元に顔を埋めようとしたり、スカートを下から覗き込もうとするので、プレイヤーの動き自体が傍から見て気持ち悪い。

Rez Infinite

プレイ時間:15分
VR酔い度:☆☆☆☆

ゲーム内容:シューティングゲームに音楽ゲームの要素を足した独特な世界観のゲーム。2001年に発売された作品のVR版。きらびやかなワイヤーフレームで構成された画面が視界いっぱいに広がる中を飛翔し、敵を撃墜し、リズムを刻む。本作の元々のファンなら映像にも音にもきっと感動するだろう。

VR酔いチェック:三人称視点のシューティングゲームで主人公機は動けない。画面が強制スクロールし、現れる敵を打ち落とす形。まったく酔わなかった。

RIGS Mechanized Combat League

プレイ時間:15分
VR酔い度:★★★★

ゲーム内容:ロボットに乗って何らかのスポーツをするゲーム。コクピットからの一人称視点となる。「何らかのスポーツ」と曖昧に書いたのは、何のスポーツなのか判明する前にVR酔いでギブアップしたから。

VR酔いチェック:酔いが激しい。主人公機が動けない状況でも、的に照準を合わせてるだけで気持ち悪くなった。主人公機が動けるようになるとさらに格段に気持ち悪くなる。特に坂を登る動作でのフワッとした感じがキツい。結局、チュートリアルすらクリアできなかった。

まとめ

「RIGS」や「スカベンジャーズ」など、VRの本領を発揮した作品ほどVR酔いがキツイ傾向にあります。つまり、新しい体験に人間の体がまだついていけてないんですね。逆に言えば、一度慣れさえすれば、「RIGS」や「スカベンジャーズ」などはVRらしいVR体験を得られる良ゲーになるのではないかと思います。

 そして、「サマーレッスン」は何気に「酔いにくさ」と「VRらしさ」を高レベルで一致させた作品と言えます。この内容はVRでなければありえません。

 結論として言えば、酔いやすい人でも、「オーシャンディセント」のようなVRならではの映像を求めるか、「サマーレッスン」のようなVRらしい体験を求めるのなら、PSVRはアリかと。

 または「RIGS」や「スカベンジャーズ」などの酔いを気合で克服するという手もあります。おそらく「自分の意志に反した動き」や「次にどういう動きが来るのか予想ができない」ことが酔いに繋がっているので、慣れとゲーム性への習熟である程度は克服できるはず。

 パソコンも昔はブラインドタッチができるのは一部の人だけでしたが、今では多くの人が普通にブラインドタッチをしています。VRもいずれはVR酔いを克服した人が世の中に溢れるようになるかもしれませんね。

著者プロフィール

作家

架神恭介

広島県出身。早稲田大学第一文学部卒業。『戦闘破壊学園ダンゲロス』で第3回講談社BOX新人賞を受賞し、小説家デビュー。漫画原作や動画制作、パンクロックなど多岐に活動。近著に『ダンゲロス1969』(Kindle)

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