【永田町炎上】政界の常識”白紙領収書”がまかり通るワケ (2/2ページ)

デイリーニュースオンライン

■「金額が空欄」なのは議員の「格」によって中身が違うから

 会費の相場は都内で開く場合は2万円、地元では1万円だが、それはあくまで一般議員の場合であって、「来賓」として呼ばれる総理や議長、党三役や有力閣僚、ムラの領袖、大幹部などの、いわゆる「大物」ともなれば、とてもそんな金額では済まない。きらびやかな水引きをかけた「祝儀袋」の中に10万や20万くらいは包まないと格好がつかない。「大物」らしく「太っ腹」なところを見せなければならないわけだ。

 筆者も現職秘書時代、何度か「政治資金パーティー」の段取りをしたことがあるが、元総理のご子息にして大臣を二期勤めた同じムラの大幹部からいただいた祝儀袋を後で開いてみたところ50万円入っていて感激したくらいだ。

 むろん受付係としては、「偉いセンセイ」が差し出した祝儀袋をその場で開き、額を改めるような失礼な真似はできない。いくら持ってきたのか分からなければ、金額を書き入れようがなく、「白紙領収書」を渡さざるを得ないのは致し方ないことだろう。

■「将来の総理候補」としてはセコすぎる稲田防衛相

 ちなみに菅義偉官房長官は約270枚の領収書で約1875万円。1回当たり約7万円包んでいることになる。菅は閣僚歴は2度目だが、当選回数は7回。その点からは必ずしも「大物」とは言えないが、「最強の官房長官」としての矜持があったのであろう。

 それに比べ稲田朋美防衛相は約260万枚で約520万円だから、1回につき一般議員と同じ2万円しか包んでいないことになる。稲田は当選回数こそまだ4回だが、閣僚歴は菅と同じ2回。おまけに大臣より偉い党三役の政調会長までやっているのだから、経歴としては菅よりも「格上」で、本来なら2万円では済まないはずだ。

 にもかかわらず2万円しか持っていかなかったのは、女性議員特有の「吝嗇さ」からであろうが、「将来の女性総理候補」としては、いかにもセコイような気がする。いずれにせよ「白紙領収書」よりも、稲田の「器」の小ささの方が問題ではないだろうか。

 稲田といえば、辻元清美や蓮舫などに過去の言動と防衛相としての答弁の整合性のなさを追求され、特には「涙ぐむ」場面などもあって、さかんに「大臣としての資質」を問題視されているが、一議員としての発言と内閣の一員としての答弁が違うのは、立場上、当たり前の話であり、むしろ稲田の防衛相としての資質を問題にするなら、いざ有事の際の自衛隊に対する総理に次ぐ高級指揮官としての能力の方であろう。

文・朝倉秀雄(あさくらひでお)
※ノンフィクション作家。元国会議員秘書。中央大学法学部卒業後、中央大学白門会司法会計研究所室員を経て国会議員政策秘書。衆参8名の国会議員を補佐し、資金管理団体の会計責任者として政治献金の管理にも携わる。現職を退いた現在も永田町との太いパイプを活かして、取材・執筆活動を行っている。著書に『国会議員とカネ』(宝島社)、『国会議員裏物語』『戦後総理の査定ファイル』『日本はアメリカとどう関わってきたか?』(以上、彩図社)など。最新刊『平成闇の権力 政財界事件簿』(イースト・プレス)が好評発売中。
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