相棒season15・第二話「チェイン」は終盤のがっかり度が高い残念な回に

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相棒season15|テレビ朝日公式サイトより
相棒season15|テレビ朝日公式サイトより

 杉下右京(水谷豊)とseason14から新相棒となった冠城亘(反町隆史)ーー。冠城の三枚目というキャラには批判もあるようですが、個人的には存在感もあり、うまく反町お得意の三枚目キャラを演じていると思います。また歳をとって渋さも増し、水谷豊と並んだ時のバランスも良いので今作も良いコンビになりそうです。

 しかし残念だったのが、相棒シリーズで人気の鑑識・米沢守(六角精児)が鑑識から去ってしまったことです。これで鑑識からの情報が手に入りにくくなることは確実でしょう。

 右京は羽賀(音尾琢真)という中年の男から「工藤春馬」という男を探して欲しいと頼まれます。羽賀はシガーバーで偶然出会った工藤から自家製シガーを貰いその魅力的な香りが忘れられず、消えた工藤を探して欲しいと言うのです。

 冠城も同じころ、同じく工藤を探しているという桜子(大谷みつほ)から工藤探しの依頼を受けます。桜子も自家製シガーが忘れられずもう一度あの香りを味わいたいのだと言います。別々に調査をしていた右京と冠城ですが、捜査で偶然合い協力して捜査をすることになります。

 この時点で、この自家製シガーに麻薬でも入っていて中毒性から、依頼人の二人がここまで工藤のシガーに固執しているのかと深読みしてしまいました(が、全然違いました)。

 一方で、伊丹が追っていた犯人の遺体が発見され、1年前から傷害致死容疑で逃げていた野中の遺体だと判明します。しかし、遺体のそばに落ちていたのは依頼人が持っていたシガーでした。

■事件の真相はごちゃごちゃの極み!

 今シーズンでは、season14で警察嫌いの男として登場した青木年男(浅利陽介)がなんとサイバーセキュリティの特別捜査官になっています。あんなに警察嫌いだった彼が何故警察官になったのか?特命係の二人に恨みがある描写もありながら、何故捜査に協力するのか?今は虎視眈々と復讐の機会を伺っているのかもしれません。鑑識の米沢が去り、鑑識の情報をどう入手するかと思いましたが、青木が埋めることになりそうです。

 青木から野中の遺体のそばに落ちていたシガーを入手した右京達は、中身を調べます。常人ならまず判別不能であろう中身をいとも簡単に当てる二人……そんなことも出来るの!?あっと言う間に、「工藤春馬」の正体が石田と言う男だと突き止めます。そして石田を見つけるが、二人の目の前で自殺されてします。「僕としたことが!」を聞くのは一体何度目のことだろうか。

 事件の真相は18年前に遡ります。桜子は父親から虐待を受けていて、恋人で父と同じ職場の野中に殺害を頼みます。しかし野中はこれまた同じ職場の羽賀に80万円で桜子父の殺害を頼み、毒入りのシガーで殺します。その後、野中は傷害致死事件を起こし逃げる中、桜子と羽賀に金銭援助を求めますが、それを知った工藤は友人である二人を守ろうと野中の自殺に協力し、警察に見つかったので自分も自殺をしたというのが事の顛末です。

 羽賀と桜子、野中、工藤(石田)と登場人物がごちゃごちゃしていて分かりにくい回でした。さらに、野中・工藤の自殺動機が弱すぎる気がします。特に工藤なんて死んでまで羽賀と桜子を守る必要があったのか疑問です。結局、羽賀と桜子も捕まりましたが、隠したかったのなら警察じゃなくて探偵に何故頼まなかったのか……? 罪の意識があって捕まりたかったのかな。

 人探しという探偵のような入りと、終盤のがっかり度が高いちょっと残念な話でしたが、シガーをくわえた冠城のかっこよさは素晴らしかったです。

文・山本えみ

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