台湾の脱原発は自滅行為?中国人が語る「原発全廃論」の弊害 (1/2ページ)
こんにちは、中国人漫画家の孫向文です。
2016年10月22日、台湾の蔡英文総統は2025年までに国内の全ての原子力発電所の稼働停止を目指すことを発表しました。この政策を決定した理由は、日本の東日本大震災時の福島第一原発の事故を受け、国内で原発の危険性を訴える世論が高まったためで、今後の台湾は太陽光や風力など再生可能エネルギー発電の割合を20%まで引き上げる予定です。
■原発全廃は無謀な計画
現在、世界中で唱えられる「反原発論」に追従した感のある今回の台湾の政策ですが、課題は山積みです。現在、台湾国内では3基の原発が稼働していますが、現代の再生可能エネルギー発電の技術では、地元民の反対を理由に稼働が凍結している第4原発の発電量すら補うことができないと予測されています。また不具合を理由に、第1原発1号機と第2原発2号機は現在稼働を停止しているのですが、今秋(2016年度)の台湾は季節外れの高温日が続いており、冷房用の電力供給が追いつかないという事態が発生しています。
そのため、台湾政府は製造業に対し電力供給のピーク時間をずらすといった対策を提案し、家庭には電気の使用量を計るメーターの設置を推奨するなど、節電対策に取り組んでいます。このように現在の台湾は試行錯誤の状態で、もし今後も原発全廃政策を継続するとしたら国内にさらなる混乱が生じるでしょう。しかも原子力に代わる有効な発電技術は全く見つかっていません。日本でも原発全廃論がたびたび提唱されますが、日本政府は台湾の事例を反面教師にするべきです。
このような現状を受け、台湾国内では「原発全廃は不可能」という声も多く挙がっています。さらに原発廃棄は友好国の信頼を失う結果になると思います。現在台湾で稼働している原発は、日本の日立製作所や三菱重工、アメリカのGE(ゼネラル・エレクトリック)社など全てが外国企業の技術提供で作られたものです。そのため、仮に台湾が原発廃棄を実行してしまえば外国、特にアメリカは「裏切り行為」とみなし有事の際に軍事的協力を躊躇する可能性があります。これは中国からの脅威にさらされ国防をアメリカに依存せざるをえない台湾にとって大きな痛手となるでしょう。さらに有事の際に国内の電力が不足していたら、軍事施設をフルに稼働させることが出来ません。