世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第194回 新幹線整備と経済効果 (2/3ページ)

週刊実話



 開通前は散々不評だった北海道新幹線も、JR北海道が9月末に発表した数字で、利用者が今年春の開通からの半年間で143万5千人と開通前の在来線の1.8倍水準を維持している。乗車率も、当初は26%程度と予想されていたのだが、実際には39%と4割近くに達した。
 興味深いことに、北海道新幹線開通後も、羽田-函館の航空便の利用者は減っていない。東京-新函館北斗間が新幹線で最短4時間2分であるため、
 「行きは新幹線、帰りは飛行機」
 という東京圏の観光客が少なくないようだ。新幹線が新函館北斗まで届いたことで、東京圏から函館に観光に行く人々が増え、結果的に航空便の需要も拡大したのだ。最近の羽田-函館間の航空サービスの利用者増は、北海道新幹線の整備なしでは創出されなかったものだ。
 函館の観光シンボルである「五稜郭タワー」の4〜9月の来場者数は、前年比で約4割増加。宿泊する客も増えており、函館としては初の外資系ホテルも進出した。

 さらに注目すべき現象は、「東北地方」から函館に向かう観光客が激増している点である。
 仙台から新函館北斗まで「はやぶさ」で最短2時間半。盛岡から新函館北斗まで同じく最短1時間50分。
 考えてみれば当たり前なのだが、北海道新幹線が開業することで、函館は100万人都市の仙台をはじめ東北の各都市に対しても商圏を広げることになったのだ(もちろん、逆も真なりである)。

 日本人の多くは、いまだに「人口が減るから需要も増えない」と勝手な思い込みをしている。日本の人口減少ペースは年間20万人台にすぎない。割合で言うと総人口の0.2%程度だ。それに対し、新幹線開通による「乗客数という需要」の拡大ペースは桁が違う。
 函館の例で言えば、新幹線開通により利用客が半年間で63万人も増えたのだ。函館市の人口は約27万人。年間に換算すると、人口の4倍を超す観光客が「追加的」に函館を訪れることになる。0.2%程度の人口減など、軽く吹き飛ぶ「需要増」である。
 そもそも、新幹線の整備自体が「需要」になる。さらに、新幹線開通により地域と地域を結び付けることで、サービス産業や投資において「追加的需要」が生まれる。
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