世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第194回 新幹線整備と経済効果 (3/3ページ)
これら函館に追加的に生まれた「半年間で63万人分の需要」は、新幹線が整備されなければ生じなかったものになる。
日本には、数字が示す事実を無視し、日本における新幹線整備を否定しようとする人が少なくない。結局、問題は日本人に染み付いてしまった「負け犬根性」なのだ。需要は「意思」に基づき、創出することが可能だ。ところが、あれこれとつまらない理由を付け(ストロー効果が! など)需要創出を否定し、結果的にデフレが深刻化。さらなる、負け犬根性に染まるという悪循環が続いている。
新幹線は、そもそも国家の基盤インフラである。新幹線は国家の安全保障、地域の発展等を意識しつつ建設されるべきで、「経済効果」ばかりを強調するのは間違っている。とはいえ、北海道新幹線は新函館北斗までの開業だけであっても、十分に「経済効果」も出ているのだ。
しかも、新幹線整備は各地域の市場を統合するという「需要面」の効果に加え、移動を短時間化することで生産性向上に貢献する。今後の日本において深刻化する「少子高齢化による生産年齢人口比率の低下」という問題の解決にもつながるのだ。
北陸新幹線にせよ、北海道新幹線にせよ、「経済効果」に限ってみても、十分な効果を出している。負け犬根性を払拭し、日本中を新幹線ネットワークで結び、「日本の各地域の市場を統合」する。これこそが、インフラ面から見た日本繁栄の道なのだ。
みつはし たかあき(経済評論家・作家)
1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。