スペインの世界遺産の街、コルドバでアラブ世界にトリップ!カサ・アンダルシ (1/4ページ)
メスキータを中心とした歴史的な街並みが世界遺産に登録されているスペイン南部、アンダルシア地方の古都コルドバ。
かつて後ウマイヤ朝の都として、東ローマ帝国の首都コンスタンティノープルと肩を並べるほどの繁栄を謳歌しました。
1236年にキリスト教徒によって奪回された後も、以前のイスラム支配を今に伝える遺産が随所に残されています。
そんなイスラム文化が香るコルドバで訪れたい穴場的スポットが、12世紀のイスラム教徒の邸宅が当時の雰囲気のままに楽しめる「カサ・アンダルシ」。
カサ・アンダルシがあるのは、メスキータの北に広がるユダヤ人街。白壁の建物と細い路地が連なる迷路のような一角にひっそりとたたずんでいます。それと知らなければ通り過ぎてしまいそうなこじんまりとした建物のせいか、訪れる人は多くはありませんが、イスラムの文化と美的感性に触れられる素晴らしい空間なのです。
中央にパティオが配置されたつくりは、当時のアンダルシア地方の邸宅としては典型的。水をたっぷりたたえた噴水と、丁寧に小石が敷き詰めて描かれた地面の幾何学模様、パティオを取り囲む円柱が見事な調和を見せます。
まさに静寂と平穏の世界。あっという間にカサ・アンダルシの世界に引き込まれてしまいます。
パティオと居室をつなぐ境目には、イスラム建築の特徴であるアーチが見られ、その下には「終わりのない旅」を暗示するアラベスクが彫られています。