左からオカモトゼロワン、 オカモトゼロツー、ゼロゼロスリー アロエ、ゼロゼロスリー ヒアルロン酸

「オカモト」という社名を聞いて、最初に連想されるのは「コンドーム」という人が多いのではないのでしょうか。しかし、オカモトが販売している商品の売り上げの中で、コンドームが占める割合は10％もないと言います。コンドーム国内シェアNo.1ともいわれているオカモト株式会社。

今回は、医療生活用品マーケティング室の林知礼さんと佐藤孝治さんにお話を伺いました。

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──コンドームのメーカーと言って、思い浮かぶのは、オカモト以外には数社しかありません。

林さん：実は、国内でコンドームを作っているメーカーって、工業会に属している企業で９社しかないんですよ。

──開発に技術が必要となるコンドーム。その中で、薄さや種類の多さでは国内で非常に多いと言える。

林さん：コンドームの製造を行っている会社の中で、当社は商品ラインナップが多い方だと思います。薄いタイプももちろんですし、様々な種類のゼリーが付いたものなど。なかなかフルラインナップで置けるスペースのある店は少ないので、見たことがない商品も多いかもしれません。（注：2016年秋・冬総合カタログには45種類の商品が掲載されている）

──コンドームの需要は大きく分けると二つ。

林さん：コンドームには、一般の薬局などの店頭で見かけられるものと、風俗店やホテルなど業務上で使用されるルートで扱われるものもあります。

女性向けコンドーム。左からラブドーム ガールズガード、ラブドーム パンサー、ラブドーム ゴム臭カット、ベネトン。

「避妊ゼリー付き（ガールズガード）」や「ゼリーの量が一般品の４倍」など、女性が興味を持ちやすい商品となっている。

──コンドームを一般の女性が携帯するケースは少ない

林さん：そうですね、まだまだ一般の女性が普通に購入するのはハードルが高いのではと感じています。実際問題、女性がコンドームを常に用意しているケースという声はあまり聞こえてきません。

──もちろん、性病予防などの啓発活動として、若年層向けにコンドーム使用を促している。

林さん：キャラクターを使ったパッケージの商品も販売しているのですが、女性自身が自分でコンドームを選んで買っているだけではなく男性に「このコンドームが可愛いから買って」と言って、男性に買って貰っているケースも多くあるのではないかと思っています。

オカモトゼロワン

──コンドーム売り場は女性が入りづらいという話もよく聞きます。

林さん：オカモトゼロワンやオカモトゼロツーをはじめとする「薄型コンドーム」は、薄いと言う機能に着目すると、「男性ウケ」と取られがちですが、女性にもからもご好評をいただいています。

──日本産の0.01ミリ台という薄さを謳った「オカモトゼロワン」。薄さに特化した商品だけに、ここまでの女性の支持は想定していなかったと言います。

林さん：オカモトゼロワン（0.01ミリ台という薄さの商品）を発売する前に、既製品に一個サンプルを付けるキャンペーンを行ったところ、「いつ販売するの？」という問い合わせをかなり多く頂いて。問い合わせの電話の中には、女性も多く含まれていたことに驚きました。

──コンドームに関わる業務の中で、普段は聞くことができない女性の意見などを聞く機会が多いと言います。

林さん：まだ女性がコンドームを準備するという土壌ではないように思えて。そういう意味では、女性だけを意識した商品でないオカモトゼロワンシリーズは女性の支持も高いように感じますね。薄いコンドームだと、男性に「使って」と、女性から言いやすいのかなって。それまでは、女性が求める商品はゼリーが多い滑らかなタイプのコンドームが多かったのですが、薄いコンドームも女性にとって魅力があるものなんだって、（ユーザーからの声などを通して）実感しました。

今回お話をうかがったオカモト株式会社様では、コンドームメーカーの社会的責任として、啓発情報を発信するためのサイト「オカモトスクール（http://www.okamoto-school.com/）」を運営するなど、望まない妊娠の低減、HIV/AIDSをはじめとする性感染症の予防啓発活動に積極的に取り組んでいます。

テキスト＆画像：如月小百合