欧米で大論争を巻き起こした『失われた福音書−イエスとマグダラのマリアの結婚の秘密を明かす古文書の解読』の邦訳がいよいよ発売 (2/4ページ)
『ダ・ヴィンチ・コード』を遥かに上回る、まさに、キリスト教研究史上、最大の驚くべき内容です。
キリストの謎を追い続けるドキュメンタリー製作者と初期キリスト教専門家
原書は、考古学に傾倒し、エルサレムのキリストの墓を究明したことで有名なイスラエル在住のドキュメンタリー製作者兼著作家シンハ・ヤコボビッチ氏と、トロント・ヨーク大学の初期キリスト教研究者バリー・ウィルソン氏の共著です。
『The Jesus Family Tomb』(キリストの棺)にまとめられたヤコボビッチ氏の発見は、ディスカバリー・チャンネルなど全米にオンエアされました。ヤコボビッチ氏は、『失われた福音』についても、著名な学者や芸術家などが招待される「アイディアシティ(ideacity)」など、様々な場で発表しています。
邦訳監修者は、東京女子大学名誉教授で、日本基督教団飯田吾妻町教会牧師の守屋彰夫氏。氏は旧約聖書時代のセム諸語の比較研究に従事し、『古代世界におけるモーセ五書の伝承』(共編著、京都大学学術出版会)など、数多くの著書を出版。ゲザ・ヴェルメシ著『解き明かされた死海文書』(青土社)などの翻訳も手掛けている、この分野に詳しい専門家です。氏は、神学論争で敗れた側の聖書解釈がこれほど正面切って取り上げられたことはなく、キリスト教の寓意的解釈に基づく分析をなす本書は、研究史上、待望の書であると称賛しています。
キリスト教の性のタブーに迫る
歴史のある時点で「正統」とみなされなかったキリスト教の教派は、完全に否定され、迫害され、書物は燃やされました。教えを残すには、文書を「正統」に見せかけ暗号化するしかなかった。英国図書館に眠っていたこの古代シリア語文書は、1~2世紀に書かれ暗号化された、グノーシス派の前身となる信仰グループの福音書だと推測されています。
グノーシス派は、イエスの死と復活に重点を置いたパウロの教義とは違い、イエスの生と喜びにその信仰の機軸を置いていました。そしてイエスとマグダラのマリアの男女の交わりを通して魂を浄化することが、その最高(の秘儀)と位置付けられていたのです。