小池百合子 逆境ハネ返し「突破の女王」!!(3)トルコの名誉のために奔走 (2/2ページ)
公衆浴場の所管は、厚生省だ。電電公社は、番号案内のイエローページに「トルコ風呂」の項目を堂々と載せていた。
まずはこの2カ所に申し立てをして、最後に業界に事情説明、および改称のお願いをしに行くという手順を考えた。
小池は84年(昭和59年)1月の初め、厚生大臣の渡部恒三のもとを訪れた。
小池は言った。
「トルコは最も日本に好意を持っている国です。それにもかかわらず、日本は性風俗店に『トルコ風呂』という名称を使っています。この名称を、変更していただきたいのです」
小池は確信していた。
〈水面に石を投げる場所さえまちがわなければ、波紋は確実に広がる〉
それからトルコ風呂は、経営者らにより、「ソープランド」に改名された。
トルコ風呂という名称が電話帳から消え、お店の看板が「ソープランド」に掛け替えられるまで、わずか1カ月という早業だった。
小池自身はいくらかの持ち出しとなってしまったが、せっかく日本への憧れを抱いている国の人に、悲しい思いをさせたくないという思いだけで突き進んだ結果には、大満足だった。
大下英治(作家):1944年、広島県生まれ。政治・経済・芸能と幅広いドキュメント小説をメインに執筆、テレビのコメンテーターとしても活躍中。政治家に関する書籍も数多く手がけており、最新刊は「挑戦 小池百合子伝」(河出書房新社)。