【プロ野球】祝! 守備タイトル獲得! 苦節10年で初のゴールデン・グラブ賞を獲得した石原慶幸(広島)に迫る (2/2ページ)

デイリーニュースオンライン

■ファンの罵声を乗り越えて

 リーグ25年ぶりの優勝に扇の要として大きく貢献した石原も、かつてはファンの罵声を浴び続けた過去がある。

 ここ数年で広島ファンになった方は想像もつかないかもしれないが、若手時代はリードを酷評されることが多かったのだ。

 「単調というかワンパターン」。「苦しくなったらアウトコースに構えようとする」「攻めのリードというより逃げのリード」……。

 そんな厳しい批判が相次いだ。

 正捕手に座りながら負けが込んでいくなか、戦犯的な扱いも受けた。加えて、左手有鈎骨骨折から打撃成績が急降下したこともあった。打撃不振が批判に拍車をかけ、球場で罵声を浴びることがさらに増えた。

 しかし、石原は批判を受けながらも、めげることなく経験を積み、技術を磨き、今日に至っている。2年目には8個のパスボールを記録するなど、最初から今のような守備力はなかった。

 だがこれも、ナックルボーラーのフェルナンデスや、驚異的な変化球を投げる永川勝浩といった投手の球に食らいついていったからこその代物。努力で掴んだ技術といえるだろう。

■インチキではない正真正銘のゴールデン・グラブ賞

 石原の魅力の一つに、予想を超えた意外性がある。その最たるものに、2009年から2014年の間に6年間連続で放ったサヨナラ打がある。これは日本記録だ。

 サヨナラの場面でなぜか打席が多く回ってくること。そのチャンスをものにできること。さらには、その決め方もクリーンヒットだけでなく、デッドボールだったり、イレギュラーバウンドだったりと、石原にはどことなくラッキーなインチキくさいソレが多い。

 そのためファンからは、石原の起こす意外性は「インチキなのでは?」と、冗談めかした疑惑の目を向けられているほどだ。石原が意外性あるプレーを見せたときは、こぞってファンはこう騒ぐ。

「今のは“インチキ”だ!」

それが、今やファンの楽しみの一つとなっているのである。

 しかし今回の受賞は正真正銘、守備力を認められてのゴールデン・グラブ賞だ。低迷期から長らく広島のホームベースを守り続け、批判や罵声に耐えてきたベテランが初めて獲得したタイトルに、心から賞賛を送りたい。

文=井上智博(いのうえ・ともひろ)

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