多くの街で愛されたベーシック、日産・マーチ (2/3ページ)

イキなクルマで

日産初の造形用CADシステムである「STYLO」を用いて設計されたクルマで、丸みを帯びたスタイリングが特徴となっています。

開発当初から欧州市場への進出を考慮されており、欧州のコンパクトカーに負けない動力性能や快適性、合理的なパッケージングを目指していたところが他社のコンパクトカーと最も異なっていた点です。それまで「価格は安いが、品質は欧州車に一歩譲る」といわれていた日本のコンパクトカーですが、2代目マーチの登場は市場に大きなインパクトを与え「コンパクトカーの革命児」とも呼ばれました。

日産の目論見どおり、欧州市場でも大ヒットを飛ばしたこのクルマは、1992年には欧州カー・オブ・ザ・イヤーを獲得。日本車としては初めての受賞という栄冠を勝ち取りました。また国内でも、グッドデザイン賞や日本カー・オブ・ザ・イヤー、RJCカー・オブ・ザ・イヤーを受賞。名実ともに、1990年代を代表するコンパクトカーとなります。

その後、競合他社より様々なコンパクトカーが発売されますが、2代目マーチも10年という長きにわたり競争力を維持してきました。これはまさに、クルマとしての基本性能がしっかりしていたことの証明といえるでしょう。

■ゴーン体制初の新型車となった3代目 photo by Tennen-Gas(CC 表示-継承 3.0)

2002年に3代目となったマーチは、カルロス・ゴーン氏のCEO就任後初めて開発されたクルマとなりました。ルノーとのシナジー効果を活かすべく、プラットフォームにはルノー・クリオなどと共通のBプラットフォームを採用。エンジンも新開発の1.0/1.2/1.4リッターエンジンが搭載されました。また、電動式4WD機構を持った「e-4WD」もラインナップ。後輪を何と日立製作所の業務用洗濯機モーターの改良版で駆動するという、変わり種的なシステムが用いられていたのです。

目玉が飛び出た、驚いたような表情を持つ個性的なスタイリングは、女性の圧倒的な支持を得ることに成功。またカラーリングもキャラが立っており、クルマの優れたカラーリングに贈られる「オートカラーアゥォード」を3度も受賞しました。

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