金正恩氏が「最愛の妹」を必死で隠そうとする理由 (1/2ページ)
韓国の情報機関・国家情報院(以下、国情院)は10月19日、国会情報委員会の国政監査において、金正恩党委員長の妹・金与正(キム・ヨジョン)氏が体制内で権力をふるいながらも、その動静がしばらく途絶えていることから、病気治療中であったり妊娠したりした可能性がある、との分析を示した。
「大阪がルーツ」の兄妹確かに、与正氏の動静を巡っては、労働新聞が6月29日付で最高人民会議13期4次会議に参加した際の写真を公開して以降、北朝鮮メディアで名前が言及されることもなくなっていた。それ以前には、正恩氏の現地指導に頻繁に同行している様子が報じられていたことを考えると、国情院が「異変」を感じたのも不思議ではなかった。
労働新聞の写真などを見ると、与正氏はいつも明るい笑顔を浮かべており、いかにも仲の良さそうな兄妹だ。また、その自然体の表情は、「話の通じる人物なのではないか」との期待を、一部の北朝鮮ウォッチャーに抱かせていたりもする。
とはいえ彼女が、北朝鮮において「普通の人」でないのは確かだ。昨年5月には、彼女の学生時代の友人らが、些細な言動のために「大量失踪」した事件もあった。
本人もそのことにショックを受けたとの情報もあるが、ともかく与正氏の周りで何らかの「異変」が起きるのは、「あり得ること」ではあるのだ。
だが、上述の国情院の分析は結果的に、間違いであった可能性が高い。
朝鮮中央テレビは今月14日、正恩氏の9月と10月の活動の様子を収めた記録映画を放映した。その中の、職業総同盟第7回大会の参加者と正恩氏が記念写真を撮る場面に、与正氏が登場しているのだ。
そこで与正氏は、参加者代表から花束を手渡された正恩氏に近づき、その花束を受け取っている。その様子を見る限りでは、病気だったり妊娠していたりといった印象は受けない。
不思議なのは、北朝鮮メディアがこの記念撮影の件を10月30日に報じた際、与正氏の名前がまったく言及されてないことだ。以前と比べれば異例である。
それにもしかすると、与正氏は6月末以降も正恩氏の現地指導などに同行していたのに、北朝鮮当局が敢えてその事実を隠していた可能性も浮上する。
気になるのは、その理由である。