安倍晋三VSトランプ「日米ガチンコ対決」の行方 (4/4ページ)
TPP問題もそうですが、“それは、あくまで民主党政権時代の話。アメリカに利益になるのか、再検討しよう”という強弁を使って、自分のペースに持っていくことが考えられます。特に、日本を含むアジアの在外米軍問題では、その傾向が強くなるでしょう。民主党と違って共和党は、防衛予算の負担増を“駐留している国”に求める姿勢が強いからです」 今後、駐留費の日本負担増などを巡り、安倍首相とトランプ氏とのガチンコ対決が見られそうだ。
続いて、12月にプーチン大統領が来日するロシアとの関係も気になるところ。特に北方領土のうち、歯舞・色丹両島の返還が噂される中、トランプ政権に横槍を入れられたら、積み上げてきた日ロ関係が一気に冷え込みかねない。
「1956年の日ソ共同宣言では、2島返還は合意に達していました。ところが、アメリカのダレス国務長官が日本を恫喝し、2島返還を断念させた経緯があります」(外務省関係者)
ロシア経済分野協力担当相なるポストを新設し、子飼いの世耕弘成氏を就任させるほど対ロ外交に鼻息荒い安倍政権だけに、気が気ではないかもしれない。「それは杞憂でしょう。現在、ニューヨークの不動産にはロシア資本が流入していますから、トランプ氏は親ロシア外交を展開していくと思います。プーチンもそれを知っており、両者は相思相愛とも伝わります」(外信部記者)
“不動産王”と呼ばれ、実業家の顔も持つトランプ氏にとっては、ロシアは大事なビジネスパートナーのようだ。もう一つの懸案は、対中国政策だろう。
「トランプ氏は公約で、中国政府による為替操作や、不当なダンピングに対して厳格に対処すると宣言しています。ですから金融経済面では“アンチ中国”となるはずですが、安全保障は微妙です。“世界の警察の放棄”と“アメリカ・ファースト”を掲げるため、南シナ海での人民解放軍の狼藉を放置する可能性もありますね」(前出の外務省関係者)
これは、安倍政権としては絶対に見過ごせない事態。「対中政策をどう転がすかが、安倍政権の正念場になるでしょう。プーチン大統領と関係を深め、中国を牽制するオプションも視野に入れるはずです」(前同)
とはいえ、外交は、とどのつまりトップ同士の信頼関係で決まる。トランプ氏はどんな人物なのか? 「ワンマンというイメージがありますが、普段は人の話を熱心に聞き、穏やかな人物です。一方で負けん気が強く、敵に対してはとことん攻撃する性格ですから、強面に映るんでしょうね」(あえば氏)
こうした“ジキルとハイド”に対峙する安倍首相は、「東京五輪誘致の演説で“放射能は完全にコントロールしている”と大見得を切るほど、図太くなった感があります。ソリが合うかどうかはともかく、トランプ氏相手でもうまく対応できるはず」(前出の小関氏)
総裁任期延長を決め、長期政権まっしぐらの安倍首相。11月17日、ニューヨークで2人は直接会談したが、さて、今後どうなる!?