超満員の有明で錦織、ロディックらが競演 [ドリームテニスARIAKE]

錦織圭(日清食品)、アンディ・ロディック(アメリカ)、マイケル・チャン(アメリカ)、大坂なおみ(日清食品)、日比野菜緒(LuLuLun)、ダニエル太郎(エイブル)が競演したエキシビションイベント「日清食品ドリームテニスARIAKE presented by P&G」が26日、有明コロシアムで開催された。
ドリームテニスARIAKEは、東日本大震災の被災地支援を目的に始まり、今年が6回目の開催。大会収益の一部は被災地のテニス協会を通じて東日本大震災の復興支援事業に充てられる。
約1万人のテニスファンが会場を埋め尽くす中、オープニングマッチを飾ったのは、日本のエースで世界5位の錦織と、2003年全米オープン覇者で元世界1位のロディックだ。ノーアドバンテージの8ゲームマッチで行われたこの試合は、ロディックが8-3で錦織に“圧勝”。4年前に現役を退いたロディックだが、時速200kmを超すビッグサービスは健在で、6本のサービスエースを奪い、リターンゲームでは3度のブレークに成功して勝利を収めた。
「今はめったに(テニスの)練習はしない」とロディック
2008年以来の対戦となった二人だが、ロディックについて錦織は「サービスのスピードは(現役時代と)ほぼ変わらないくらいで、リターンで手が出なかった」とお手上げ状態。対するロディックは「年上の僕に(錦織が)少し優しくしてくれたのかもしれない。ツアーではこのプレーを2日、3日と続けないといけないから、今の僕にはできないよ」と謙遜した。
ロディックのビッグサービスに脱帽の錦織
その後、ダニエルとチャンによるシングルスマッチを挟み、団体戦と称してTEAM KEI(錦織、チャン、日比野)とTEAM ANDY(ロディック、ダニエル、大坂)によるドリームチームマッチも行われた。
試合は、女子シングルス、ミックスダブルス、男子ダブルスの順で行い、各試合は合計ゲーム数が「6」になった時点で終了、奪ったゲーム数の多いチームが勝利となる。
女子シングルスは、ドリームテニス初出場の日比野と大坂が対戦。コート入場から緊張ぎみの両者だったが、主審を務める松岡修造氏が場を盛り上げ、白熱したプレーと“三者”のユーモア溢れるやり取りの連続となった。この試合は大坂が4-2で勝利。
強烈なサービスとストローク力を発揮した大坂
続くミックスダブルスは、錦織と日比野、ダニエルと大坂がペアを組み、全員がヘッドマイクを装着してプレー。メンバー最年長の錦織が、対戦相手のダニエルと大坂から“先輩いじり”を受けるなどして、プレーに、トークに会場は大いに盛り上がった。
左からダニエル、大坂、日比野、錦織
ミックスダブルスのスコアは3-3に終わり、最終試合は錦織/チャン 対ロディック/ダニエルの男子ダブルス。TEAM KEIが4-2で勝利すると、合計スコアが9-9の引き分けとなり、結局、決着はつかなかった。
ただ、トッププレーヤーたちによる公式戦さながらの緊張感溢れるプレーと変幻自在な魅せるパフォーマンスに、観客は楽しい時間を過ごした。
この日は、日本テニス界発展に貢献・活躍した個人・団体に贈られる「平成27年度表彰伝達式」(すでに6月に開催)に出席できなかった各選手、コーチたちがコート上で表彰された。
最優秀選手賞の錦織と車いすテニスの国枝慎吾(上地結衣は所用により欠席)、年間最躍進賞の土居美咲(ミキハウス)、大坂、日比野、ベストデビスカッププレーヤー賞のダニエル、ベストフェドカッププレーヤー賞の青山修子(近藤乳業)、ジュニア大賞の綿貫陽介(グローバルプロテニスアカデミー)、最優秀指導者賞の綿貫弘次氏の計9名が、日本テニス協会の畔柳信雄会長から表彰された。
さらにリオ・パラリンピックメダリスト表彰式も同時に行われ、男子ダブルスで銅メダルを獲得した国枝/斎田悟司ペアが表彰された。