金正恩氏の「ほめ殺し」で自ら危機を招く在日団体 (2/2ページ)

デイリーNKジャパン

朝鮮総連は5月31日にも、中国で発生した北朝鮮レストラン従業員らの集団脱北は韓国当局による「拉致」であるとして、韓国大使館に対する抗議行動を行ったが、これにも同じことが言えた。

結局のところ、朝鮮総連の金正恩氏に対する忠誠心をはかるため、本国が指示して行わせたというのが真相ではないのか。そして、組織の衰勢により本国での立場が弱まりつつあった朝鮮総連の指導部が、これに飛びついたのではないか。

それならそれで、勝手にすれば良いとも言えるが、問題は朝鮮学校への影響が懸念されることだ。筆者は、日本政府が対北朝鮮制裁でいくら「手詰まり」になろうが、その矛先を朝鮮学校に向けることには反対である。しかし、保守世論にはそれを求める声が少なからずあるし、朝鮮総連の本国寄りの姿勢が極端さを増して行けば、学校への風当たりが強まる懸念は十分にある。

「朝鮮総連の中には、韓国による『拉致疑惑』や朴槿恵退陣のために声を上げる人はいても、日本人拉致の解決や自国民を虐める金正恩の退陣を求める人はいないのか」

このように問いに回答できないようなら、朝鮮総連側の権利主張に耳を貸す人は減る一方だろう。

ちなみに、故金正日総書記も残忍な独裁者ではあったが、朝鮮総連に対して敢えて「本国批判」を行うよう指示したこともあった。朝鮮総連に対する日本社会からの信頼を回復させ、日朝間のパイプ役としての役割を高めさせようと狙ってのことだった。

しかし現在の正恩氏には、朝鮮総連の扱いについて、配慮も見えなければ父親のような戦略的な思考も見えない。せっかく正体を隠して街宣を行っても、公式メディアで喜々としてバラしてしまっている。

朝鮮総連の人々はここら辺で、正恩氏との付き合いを真剣に考えた方がよいのではないか。

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